第57章 第二封印の崩壊
祭壇。
砕かれている。
完全に。
石が割れている。
粉々に。
紋章が見えない。
破壊されている。
中央から黒い霧が噴出している。
不気味な霧。
邪悪な気配。
リオンが驚く。
「封印が……」
カインが前に出る。
剣を構える。
「完全に破壊されてる」
グラムが祭壇を見る。
「誰がこんなことを……」
ミラが周りを警戒する。
「誰が……」
その時、笑い声が響いた。
低い笑い声。
邪悪な笑い声。
「ハハハハ……」
四人が振り返る。
柱の影から人影が現れる。
黒いローブを纏った男。
顔は見えない。
フードで隠れている。
でも邪悪な気配。
圧倒的な悪意。
男が言う。
「遅かったな」
リオンが剣を抜く。
「お前が!」
男が頷く。
「そうだ」
フードを取る。
醜い顔。
傷だらけ。
目が赤い。
邪悪な笑み。
「私は魔王様の下僕。封印を破壊する役目だった」
カインが剣を抜く。
「貴様!」
駆ける。
男に向かって。
剣を振る。
でも男が消える。
煙のように。
カインの剣が空を切る。
「ちっ!」
男の声が響く。
「もう遅い。魔王様の力が解放される」
笑い声。
どこから聞こえるのか分からない。
神殿中に響く。
祭壇から黒い霧が激しく噴出し始める。
量が増える。
どんどん増える。
四人を襲う。
リオンが叫ぶ。
「くそ!」
黒い霧が体に触れる。
冷たい。
痛い。
力が吸われる感じ。
ミラが叫ぶ。
「このままじゃ!」
霧から逃げる。
後ろに下がる。
グラムが叫ぶ。
「祭壇を修復できないか!」
リオンが考える。
『修復……そうだ……』
叫ぶ。
「鍛えろ!」
目が変わる。
鍛冶師デインの目。
祭壇に駆け寄る。
黒い霧を避けながら。
祭壇を調べる。
手で触る。
石を見る。
紋章の欠片を見る。
そして顔を歪める。
「無理だ……完全に破壊されてる」
カインが聞く。
「本当に?」
デインが頷く。
「ああ。石の内部まで砕かれてる。修復不可能だ」
リオンに戻る。
「戻れ」
目が元に戻る。
カインが言う。
「ここは諦めろ。最後の封印地、海底神殿に全力を」
リオンが悔しそうに頷く。
「くそ……」
グラムが言う。
「逃げるぞ!」
黒い霧が神殿を満たし始める。
天井まで。
壁まで。
全てを覆う。
四人が走る。
入口に向かって。
黒い霧を避けながら。
でも霧が追いかけてくる。
速い。
リオンが叫ぶ。
「急げ!」
入口が見える。
光が見える。
外の光。
四人が駆ける。
最後の力を振り絞って、入口に飛び込む。
外に出る。
砂の上に転がる。
「はあ……はあ……」
息を切らす。
でも立ち上がる。
神殿を見る。
黒い霧が神殿から溢れ出している。
外に広がっている。
砂漠に。
空に。
リオンが驚く。
「まずい……」
カインが言う。
「砂漠全体が覆われる」
ミラが言う。
「逃げないと!」
四人が走る。
砂漠を。
神殿から離れる。
黒い霧が追いかけてくる。
広がり続ける。
砂漠を覆い始める。
空を暗くし始める。
太陽が見えなくなる。
暗くなる。
四人が走り続ける。
1時間。
2時間。
やっと霧から抜ける。
砂漠の端。
振り返る。
砂漠の半分が黒い霧に覆われている。
神殿が見えない。
完全に覆われている。
リオンが膝をつく。
「くそ……失敗した……」
カインが言う。
「仕方ない」
ミラが言う。
「まだ最後の封印がある」
グラムが頷く。
「そうだ。海底神殿だ」
リオンが立ち上がる。
「ああ……」
でも悔しそう。
「でも、2つの封印が破られた……」
カインが言う。
「1つ目は強化した」
リオンが頷く。
「でも2つ目は……」
ミラが言う。
「だから最後が重要なの。3つ目を守れば、まだ間に合う」
リオンが頷く。
「そうだな……」
決意を新たにする。
「行こう。海底神殿へ」
三人が頷く。
「ああ」
四人が歩き出す。
南へ。
海へ。
海底神殿へ。
最後の封印地へ。
後ろで黒い霧が広がり続けている。
砂漠を覆い続けている。
リオンは思った。
『魔王の力が解放され始めてる……』
『急がないと……』
『最後の封印を守らないと……』
『世界が……』
『終わる……』
決意を固める。
四人の旅が続く。
最後の封印地へ。
時間がない。
魔王の復活が近づいている。
黒い霧が広がっている。
でも諦めない。
四人で。
一緒に。
最後まで。
世界を救うために。
希望を捨てずに。
前に進む。
砂漠を後にして。
海へ向かって。
長い旅が続く。




