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全員が俺だ ~6666回転生した記憶過積載者~  作者: 雨音トキ


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第52章 精神世界の内戦

洞窟の中。

リオンが壁に寄りかかっている。

鎖で縛られたまま。

目を閉じる。

精神世界に入る。

暗闇。

やがて光が見える。

円形劇場。

いつもの場所。

でも様子が違う。

荒れている。

人格たちが暴れている。

叫んでいる。

泣いている。

笑っている。

喧嘩している。

戦士アレクが忍者カゲロウと殴り合っている。

商人グレイが学者ルシアンと言い争っている。

魔法使いリズが泣いている。

神官ゼノンが祈っている。

暗殺者が笑っている。

6666人格が全員。

完全な無秩序。

リオンが驚く。

『何が起きてる!』

戦士アレクが叫ぶ。

「デモンズのせいだ!」

忍者カゲロウを殴る。

「ガッ!」

カゲロウが倒れる。

商人グレイが反論する。

「いや、リオンが弱いからだ!」

学者ルシアンを指差す。

「お前もそう思うだろ!」

ルシアンが答える。

「制御を失った!」

本を投げる。

「もう終わりだ!」

暗殺者が笑う。

「殺せ、全員殺せ」

短剣を振り回す。

神官ゼノンが祈る。

「神よ……救いを……」

魔法使いリズが泣く。

「どうして……こんなことに……」

農民トムが叫ぶ。

「秩序を取り戻せ!」

でも誰も聞かない。

錬金術師エルヴィンが言う。

「無理だ……もう手遅れだ……」

狂戦士バーサーカーが吠える。

「グオオオオ!」

暴れる。

周りを壊す。

6666人の声が同時に響く。

「デモンズを殺せ!」

「いや、リオンを殺せ!」

「俺が主導権を取る!」

「いや、俺だ!」

「黙れ!」

「お前が黙れ!」

「全員死ね!」

「助けてくれ!」

「もう終わりだ!」

リオンの頭が割れそうになる。

『うわあああああ!』

叫ぶ。

頭を抱える。

『やめろ! 黙れ!』

でも声は止まらない。

増えていく。

6666人の声。

全てが同時に。

意味が分からない。

ただ騒音。

リオンが膝をつく。

『頭が……割れる……』

その時、中央にデモンズが現れた。

黒いローブ。

赤い目。

邪悪な笑み。

「見ろ」

周りを見回す。

「これがお前の精神だ」

リオンを見る。

「無秩序」

「混沌」

「崩壊」

リオンが見上げる。

『デモンズ……』

デモンズが笑う。

「お前はもう終わりだ」

近づく。

「この体は俺がもらう」

リオンが後退する。

『やめろ……』

デモンズが続ける。

「6666人を従える」

「魔王を復活させる」

「世界を滅ぼす」

リオンが叫ぶ。

『させるか!』

立ち上がる。

でも力が入らない。

体が重い。

デモンズが笑う。

「無駄だ」

その時、他の人格たちが叫び始めた。

「俺が主導権を取る!」

戦士アレクが前に出る。

「俺だ!」

商人グレイも前に出る。

「いや、俺だ!」

魔法使いリズも。

「私に寄越せ!」

学者ルシアンも。

「私が相応しい!」

忍者カゲロウも。

「俺が取る!」

次々と人格が主導権を主張する。

6666人が。

全員が。

リオンを見る。

手を伸ばす。

「寄越せ!」

「俺のものだ!」

「私が使う!」

リオンが混乱する。

『やめろ……みんな……』

人格たちが近づいてくる。

全員が。

6666人が。

リオンを囲む。

「寄越せ!」

「寄越せ!」

「寄越せ!」

リオンの頭に声が響く。

6666の声が。

同時に。

混ざり合う。

意味が分からなくなる。

リオンが叫ぶ。

『やめろ! 俺は……』

でも言葉が出ない。

『俺は……誰だ……?』

記憶が混濁し始める。

原始人ゴルの記憶が流れ込む。

狩りをする。

獣を追う。

火を起こす。

次に戦士アレクの記憶。

剣を振るう。

戦場を駆ける。

敵を斬る。

次に商人グレイの記憶。

金を数える。

交渉する。

儲ける。

次に魔法使いリズの記憶。

呪文を唱える。

炎を放つ。

魔法を学ぶ。

次に忍者カゲロウの記憶。

影に潜む。

暗殺する。

逃げる。

次に学者ルシアンの記憶。

本を読む。

研究する。

発見する。

次に神官ゼノンの記憶。

祈る。

癒す。

信じる。

次に錬金術師エルヴィンの記憶。

鍛造する。

実験する。

創造する。

次々と記憶が流れ込む。

6666人分の記憶が。

全てが同時に。

リオンの頭が溢れる。

『やめろ……もう……』

記憶が混ざる。

誰の記憶か分からない。

自分の記憶か分からない。

『俺は……リオン……?』

『それとも……ゴル……?』

『いや……アレク……?』

『グレイ……?』

『リズ……?』

『カゲロウ……?』

自我の境界が曖昧になる。

リオンが誰なのか。

分からなくなる。

『俺は……誰……?』

暗闇が近づいてくる。

精神世界の端から。

黒い闇。

全てを飲み込む闇。

リオンの意識が沈みかける。

『誰……だ……』

『俺……は……』

人格たちが叫び続ける。

「寄越せ!」

「俺のものだ!」

デモンズが笑う。

「終わりだ」

暗闇がリオンに迫る。

飲み込もうとする。

リオンが抵抗する。

でも力が出ない。

『誰……』

『俺……』

意識が薄れる。

暗闇に沈む。

深く。

深く。

全てが消えていく。

記憶が。

感情が。

自我が。

リオンという存在が。

消えかける。

暗闇の中で。

意識が遠のく。

完全に。

暗闇に飲み込まれる。

リオンの意識が消える。


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