第48章 氷山の守護者
女性が口を開く。
「私はフロスト」
静かな声。
「500年前、あなたと仲間だった氷魔法使い」
リオンが驚く。
「フロスト……」
記憶を探る。
魔法使いリズの記憶。
深く潜る。
500年前。
魔法学院。
そこに一人の女性がいた。
氷の魔法使い。
名前はフロスト。
リズと一緒に学んだ。
一緒に戦った。
一緒に……
記憶が鮮明になる。
リオンが頷く。
「思い出した」
フロストが微笑む。
「そう。よかったわ」
リオンが聞く。
「なぜここに?」
フロストが答える。
「あなたが来ると予言で知っていた」
続ける。
「守護者として待っていた」
カインが前に出る。
「守護者?」
フロストが頷く。
「ええ。この封印を守るのが私の使命」
カインが剣に手をかける。
「封印を強化させろ」
フロストが首を横に振る。
「その前に、試練を受けてもらう」
リオンが聞く。
「試練?」
フロストが頷く。
「ええ。封印を強化するには、資格が必要」
続ける。
「その資格があるか、試させてもらうわ」
グラムが聞く。
「どんな試練だ?」
フロストが答える。
「私と戦うこと」
四人が驚く。
ミラが言う。
「戦う?」
フロストが頷く。
「ええ。私を倒せたら、封印を強化させる」
氷の剣を召喚する。
手を伸ばす。
空中に氷の剣が現れる。
美しく輝く。
掴む。
構える。
「準備はいい?」
リオンが剣を抜く。
「わかった」
「戦え!」
叫ぶ。
目が変わる。
戦士アレクの目。
剣を構える。
カインも剣を抜く。
「行くぞ」
二人が駆ける。
左右から。
フロストに向かって。
剣を振る。
同時に。
フロストが剣で受ける。
右でリオンを。
左でカインを。
「ガキィン!」
金属音。
火花が散る。
フロストが微笑む。
「速いわね」
剣を押し返す。
二人が後退する。
フロストが地面に手をつく。
「凍れ!」
叫ぶ。
地面が凍り始める。
リオンとカインの足元から。
広がっていく。
二人が跳ぶ。
避ける。
でも着地した場所も凍る。
滑る。
バランスを崩す。
フロストが手を上げる。
「氷柱よ!」
空中に氷の柱が現れる。
何本も。
鋭い。
降ってくる。
リオンとカインに向かって。
二人が避ける。
転がる。
氷柱が地面に刺さる。
「ガシャン!」
砕ける音。
グラムが叫ぶ。
「これは厳しい!」
ハンマーを振る。
氷柱を砕く。
ミラが叫ぶ。
「守れ!」
目が変わる。
戦士シルヴィアの目。
体が動く。
戦士の動き。
駆ける。
フロストに向かって。
拳を振る。
フロストが避ける。
横に跳ぶ。
シルヴィアが追いかける。
連続攻撃。
拳。
蹴り。
素早い。
でもフロストは全て避ける。
軽やかに。
そして氷の剣を振る。
シルヴィアに向かって。
シルヴィアが腕で受ける。
篭手が剣を受ける。
「ガキィン!」
でも衝撃で弾かれる。
後ろに吹き飛ぶ。
地面を転がる。
「うっ……」
フロストが微笑む。
「篭手、いいわね」
リオンが人格を戻す。
「戻れ! 燃やせ!」
目が変わる。
魔法使いリズの目。
杖を構える。
「炎よ!」
炎が噴き出す。
フロストに向かって。
フロストが氷の壁を作る。
「氷壁!」
炎が壁にぶつかる。
蒸気が上がる。
視界が悪くなる。
リオンが炎を強める。
「もっと!」
氷の壁が溶け始める。
薄くなる。
カインが駆ける。
蒸気の中を。
フロストの位置を読む。
剣を振る。
氷壁を突き抜ける。
フロストの鎧に当たる。
「ガキィン!」
火花。
フロストが後退する。
鎧にヒビが入る。
小さなヒビ。
でも確かに。
フロストが鎧を見る。
「やるわね」
微笑む。
カインが構える。
「まだだ」
リオンも人格を戻す。
「戻れ! 戦え!」
アレクに戻る。
剣を構える。
ミラも立ち上がる。
シルヴィアのまま。
グラムがハンマーを構える。
四人が囲む。
フロストを。
フロストが周りを見る。
「四人……」
つぶやく。
「本気ね」
剣を構える。
四人が同時に駆ける。
リオンが前から。
カインが後ろから。
ミラが右から。
グラムが左から。
四方向から。
剣を振る。
拳を振る。
ハンマーを振る。
同時に。
フロストが跳ぶ。
高く。
空中に。
四人の攻撃が空を切る。
フロストが空中で手を広げる。
「氷の嵐!」
叫ぶ。
氷の刃が四方に飛ぶ。
無数に。
四人に向かって。
リオンが叫ぶ。
「避けろ!」
四人が散る。
氷の刃が地面に刺さる。
「ガシャン! ガシャン!」
砕ける音。
フロストが着地する。
優雅に。
笑顔で。
「楽しいわ」
四人が構え直す。
息が上がっている。
「はあ……はあ……」
フロストは平然としている。
「まだ続ける?」
カインが答える。
「ああ」
リオンも頷く。
「まだだ」
フロストが微笑む。
「いいわ」
でも剣を下ろす。
「でも、もういいわ」
四人が驚く。
リオンが聞く。
「どういう意味だ?」
フロストが答える。
「合格よ」
四人が驚く。
フロストが続ける。
「あなたたちの力、認めたわ」
剣が消える。
氷になって。
砕けて。
消えていく。
「封印を強化する資格がある」
リオンが剣を下ろす。
「本当か?」
フロストが頷く。
「ええ」
微笑む。
「特にあなたたちの連携。素晴らしかったわ」
カインも剣を収める。
「そうか」
ミラが人格を戻す。
「戻れ」
目が元に戻る。
疲れた顔。
グラムがハンマーを下ろす。
「よかった……」
フロストが祭壇を指差す。
「さあ、封印を強化しましょう」
四人が頷く。
祭壇に向かう。
フロストも一緒に。
五人が祭壇の前に立つ。
紋章がヒビだらけ。
弱々しく光っている。
フロストが言う。
「これから儀式を行うわ」
四人が聞く。
フロストが続ける。
「あなたたちの魔力が必要」
リオンが頷く。
「わかった」
フロストが説明し始める。
「四人で祭壇を囲んで」
四人が位置につく。
フロストが続ける。
「手を祭壇にかざして」
四人が手を伸ばす。
フロストも準備する。
「準備はいい?」
四人が頷く。
「始めるわよ」
フロストが呪文を唱え始める。
儀式が始まろうとしている。
封印を強化する儀式が。
世界を救うための儀式が。




