第42章 第三の仲間・ドワーフ鍛冶師
5日が過ぎた。
リオンとミラは北へ歩き続けていた。
街道を。
雪が降り始めている。
寒い。
でも二人は元気だった。
一緒だから。
ミラが言う。
「リオン、見て」
前を指差す。
煙が見える。
たくさんの煙。
煙突から立ち上っている。
リオンが答える。
「あれがドワーフの鍛冶村だ」
ミラが微笑む。
「やっと着いたわね」
リオンが頷く。
「ああ」
二人は歩き続けた。
村が近づいてくる。
石造りの建物が見える。
低い建物。
ドワーフのサイズに合わせて。
門に着く。
門番が立っている。
背の低いドワーフ。
髭を生やしている。
門番が声をかける。
「何の用だ?」
リオンが答える。
「装備を整えたい」
門番が頷く。
「旅人か。入れ」
門を開ける。
二人は村に入った。
石畳の道。
建物が並ぶ。
工房。
酒場。
宿屋。
様々な建物。
人々が働いている。
ドワーフたち。
金属を叩く音が聞こえる。
カンカンカン。
あちこちから。
ミラが驚く。
「すごい音ね」
リオンが微笑む。
「鍛冶の村だからな」
ミラが周りを見る。
「みんな働いてるわね」
リオンが頷く。
「ドワーフは働き者だ」
二人は歩き続けた。
村の中を。
ドワーフたちが見る。
珍しそうに。
「人間だ」
「珍しいな」
「何の用だろう」
ささやき声が聞こえる。
リオンが気にしない。
歩き続ける。
大きな建物が見える。
一番大きい。
煙突から黒い煙。
中から金属を叩く音。
激しい音。
リオンが言う。
「あれが工房だ」
ミラが頷く。
「行きましょう」
二人は工房に向かった。
扉の前に着く。
リオンが扉を開ける。
中は暑い。
炉が燃えている。
真っ赤な炎。
奥に巨漢のドワーフがいる。
2メートル近い背丈。
ドワーフにしては巨大。
筋肉質。
髭が長い。
ハンマーを振るっている。
剣を叩いている。
火花が散る。
カンカンカン。
リオンが待つ。
声をかけるタイミングを。
ミラも黙って見ている。
やがてドワーフが手を止めた。
剣を水に入れる。
ジュウッと音がする。
蒸気が上がる。
ドワーフが振り返る。
「客か?」
低い声。
力強い声。
リオンが頷く。
「はい」
一歩前に出る。
「装備を整えたい」
ドワーフが近づく。
リオンを見る。
上から下まで。
「旅人だな」
リオンが頷く。
「ああ」
ドワーフが続ける。
「どこに行く?」
リオンが答える。
「北の氷山だ」
ドワーフが眉を上げる。
「氷山? 封印地か」
リオンが驚く。
「知ってるのか?」
ドワーフが頷く。
「伝説で聞いた」
腕を組む。
「魔王を封じる3つの封印」
リオンが頷く。
「その一つだ」
ドワーフが真剣な顔になる。
「それは……大事な用だな」
リオンが頷く。
「ああ。300日で魔王が復活する」
ドワーフが目を見開く。
「300日……」
つぶやく。
「それは急がないと」
リオンが頷く。
「だから装備を整えたい」
ドワーフが頷く。
「わかった」
手を差し出す。
「グラムだ。俺の名は」
リオンが握る。
「リオンだ」
ミラも前に出る。
「ミラです」
グラムが頷く。
「よろしく」
リオンに向き直る。
「剣を見せてくれ」
リオンが剣を渡す。
グラムが受け取る。
じっくりと見る。
刃を確認する。
柄を確認する。
バランスを確認する。
「ふむ……」
つぶやく。
「悪くない剣だ」
リオンに返す。
「だが、氷山には向かない」
リオンが首を傾げる。
「向かない?」
グラムが頷く。
「氷の魔物がいる」
続ける。
「普通の剣じゃ効かない」
リオンが驚く。
「そうなのか?」
グラムが頷く。
「ああ。特別な武器が必要だ」
リオンが聞く。
「作れるのか?」
グラムが微笑む。
「もちろんだ」
胸を叩く。
「俺はドワーフ一の鍛冶師だ」
ミラが微笑む。
「頼もしいわ」
グラムが頷く。
「任せろ」
工房を見回す。
「さて、何を作るか……」
つぶやく。
「氷山用の武器……」
リオンを見る。
「お前の戦い方は?」
リオンが答える。
「剣が主だ」
グラムが頷く。
「剣か」
考える。
「炎の魔力を込めた剣がいい」
リオンが驚く。
「炎の魔力?」
グラムが頷く。
「ああ。氷には炎が効く」
ミラが聞く。
「私の武器は?」
グラムがミラを見る。
「お前の戦い方は?」
ミラが答える。
「体術が主です」
グラムが頷く。
「なら、篭手がいい」
ミラが首を傾げる。
「篭手?」
グラムが頷く。
「ああ。拳を守り、威力を増す」
ミラが微笑む。
「いいわね」
グラムが頷く。
「じゃあ決まりだ」
炉を見る。
「明日から作り始める」
リオンが聞く。
「どれくらいかかる?」
グラムが答える。
「3日だ」
リオンが頷く。
「わかった」
グラムが続ける。
「その間、宿に泊まれ」
指差す。
「村の中央に宿屋がある」
リオンが頷く。
「ありがとう」
グラムが微笑む。
「礼はいらん」
続ける。
「魔王を止めるんだろ?」
リオンが頷く。
「ああ」
グラムが続ける。
「なら、俺も協力する」
リオンが驚く。
「本当か?」
グラムが頷く。
「ドワーフは世界の一員だ」
拳を握る。
「魔王が復活したら、俺たちも困る」
リオンが微笑む。
「ありがとう」
グラムが微笑む。
「どういたしまして」
工房を見回す。
「さあ、宿に行け」
続ける。
「明日、また来い。武器の詳細を決めよう」
リオンが頷く。
「わかった」
ミラも頷く。
「明日、また来ます」
二人は工房を出た。
外は夕方。
太陽が沈みかけている。
ミラが言う。
「いい人ね」
リオンが頷く。
「ああ。頼もしい」
二人は宿屋に向かった。
村の中央。
「鉄の盾亭」という看板。
中に入る。
受付で部屋を取る。
二部屋。
リオンの部屋。
ミラの部屋。
二人は部屋に入った。
リオンは窓を見る。
外を見る。
村の景色。
煙突から煙。
働くドワーフたち。
平和な光景。
リオンは思った。
『この平和を守る……』
『魔王を止める……』
『世界を救う……』
決意を新たにする。
ベッドに座る。
剣を見る。
「明日、新しい武器か……」
つぶやく。
「氷山に行くために……」
窓の外を見る。
星が見え始めている。
「300日……」
つぶやく。
「まだ時間はある……」
でも不安もある。
カインのことを思い出す。
「あいつに勝てるのか……」
自問する。
でも答えは出ない。
ノックの音。
「リオン?」
ミラの声。
「入っていい?」
扉を開ける。
ミラが入ってくる。
「夕食、一緒に食べましょ」
リオンが微笑む。
「ああ」
立ち上がる。
二人は食堂に向かった。
ドワーフたちが食事をしている。
賑やかな声。
笑い声。
酒を飲む音。
二人は席に座った。
注文する。
シチュー。
パン。
エール。
料理が来る。
温かい。
美味しそう。
二人は食べ始めた。
ミラが言う。
「美味しいわ」
リオンが頷く。
「ああ」
食事を続ける。
周りのドワーフたちが見ている。
珍しそうに。
でも敵意はない。
好奇心だけ。
やがて一人のドワーフが近づいてきた。
「よう、人間」
リオンが振り向く。
「何か?」
ドワーフが微笑む。
「グラムから聞いた。魔王を止めるんだって?」
リオンが頷く。
「ああ」
ドワーフが続ける。
「頑張ってくれ」
ジョッキを掲げる。
「世界のために」
リオンが微笑む。
「ありがとう」
ドワーフが去る。
また別のドワーフが来る。
「応援してるぞ」
また去る。
次々とドワーフたちが声をかけてくる。
励ましの言葉。
感謝の言葉。
リオンとミラは微笑んだ。
「みんな、優しいのね」
ミラが言う。
リオンが頷く。
「ああ」
食事を終える。
部屋に戻る。
リオンは一人になった。
ベッドに横になる。
天井を見る。
「明日から……」
つぶやく。
「新しい武器……」
「そして……氷山へ……」
目を閉じる。
眠りに落ちる。
明日への準備。
リオンとミラの旅が続く。




