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全員が俺だ ~6666回転生した記憶過積載者~  作者: 雨音トキ


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第26章 学者人格の暴走

翌朝。

ミラは宿で目を覚ました。

隣のベッドを見る。

リオンがいない。

「リオン?」

部屋を見回す。

いない。

「また図書館かな……」

つぶやく。

支度をする。

宿を出る。

図書館に向かう。

入口をくぐる。

受付の老人に聞く。

「リオンを見ませんでしたか?」

老人が頷く。

「ああ、あの少年なら2階にいるよ。朝早くから来て」

ミラが階段を上る。

2階に着く。

広い閲覧室。

本棚が並ぶ。

机が並ぶ。

そこに、リオンがいた。

本の山に埋もれている。

周りに開いた本が散乱している。

リオンは本を読んでいる。

目が動いていない。

ただ、ページを見つめている。

ミラが近づく。

「リオン?」

リオンが答えない。

ミラが肩を揺する。

「リオン、聞こえてる?」

リオンがやっと反応した。

顔を上げる。

目が違う。

鋭く。

知的で。

冷たい。

学者ルシアンの目。

「邪魔をしないでくれ」

低い声。

リオンの声じゃない。

ミラが驚く。

「リオン……じゃないわね……」

ルシアンが答える。

「私はルシアン。リオンは今、休んでいる」

ミラが問う。

「いつから出てるの?」

ルシアンが答える。

「朝から」

また本に目を戻す。

「面白い……もっと読みたい……」

ページをめくる。

ミラが本を閉じようとする。

ルシアンが手を払う。

「触るな!」

ミラが後退する。

「リオン! 戻ってきて!」

ルシアンが首を横に振る。

「彼は疲れている。今は私が代わりだ」

また本を読み始める。

ミラは諦めた。

「わかったわ……でも、ご飯は食べないと」

ルシアンが答えない。

ただ読み続ける。

ミラは溜息をついた。

「困ったわね……」

階段を下りる。

受付に戻る。

老人に言う。

「あの……リオンが人格に乗っ取られてるんです」

老人が眉をひそめる。

「乗っ取られた?」

ミラが頷く。

「学者の人格が」

老人が微笑む。

「ああ、よくあることだ」

ミラが驚く。

「よくあるんですか?」

老人が頷く。

「学者は知識に飢えている。図書館は天国だ」

ミラが心配そうに言う。

「どうすれば……」

老人が答える。

「待つしかない。飽きるまで」

ミラは溜息をついた。

「わかりました……」

宿に戻る。

その日、リオンは図書館から出てこなかった。

2日目。

ミラは朝から図書館に行った。

リオンはまだ本を読んでいる。

同じ場所。

本の山が増えている。

ミラが水と食料を持ってくる。

「リオン、これだけでも」

ルシアンが手を伸ばす。

水を飲む。

パンを一口。

また本に戻る。

ミラは溜息をついた。

3日目。

4日目。

5日目。

リオンは図書館から出てこない。

ミラは毎日、食料と水を運ぶ。

でも、リオンは……いや、ルシアンは本を読み続ける。

目が血走っている。

髪がボサボサ。

服が汚れている。

でも、本を読むのを止めない。

6日目。

ミラは限界だった。

「このままじゃダメだわ……」

つぶやく。

宿の部屋で。

「リオンが壊れる……」

決断した。

「シルヴィア、力を貸して」

心の中で呼びかける。

7日目の朝。

ミラは図書館に向かった。

2階に上がる。

閲覧室に入る。

リオンがいる。

相変わらず本を読んでいる。

ミラは深呼吸した。

「ごめんね、リオン」

つぶやく。

そして叫ぶ。

「守れ!」

瞬間、ミラの目が変わる。

戦士シルヴィアの目。

体が動く。

リオンに近づく。

本を払いのける。

「何を……!」

ルシアンが驚く。

ミラは……いや、シルヴィアはリオンを掴んだ。

担ぎ上げる。

「離せ! まだ読んでない本が!」

ルシアンが叫ぶ。

足をバタバタさせる。

シルヴィアは無視する。

リオンを担いで階段を下りる。

受付の老人が驚く。

「おや……」

シルヴィアは走る。

図書館を出る。

街を走る。

人々が驚いて見る。

「何だ、あれは……」

「エルフの娘が人を担いでる……」

シルヴィアは止まらない。

街の外に出る。

門を通る。

森に入る。

川が見える。

そこまで走る。

リオンを下ろす。

いや、放り投げる。

「うわあああ!」

ルシアンが叫ぶ。

川に落ちる。

水しぶき。

冷たい水。

リオンが浮き上がる。

「ぷはっ!」

息を吸う。

目が元に戻る。

リオンの目。

「ミラ?」

ミラはシルヴィアを引かせた。

「戻れ」

目が元に戻る。

ミラの目。

膝をつく。

「はあ……はあ……」

リオンが川から上がる。

ずぶ濡れ。

「ここは……どこだ……?」

ミラが答える。

「街の外よ」

リオンが混乱する。

「なんで……俺、図書館にいたはずだけど……」

ミラが立ち上がる。

リオンに近づく。

「7日間本ばっかり読んでたのよ!」

リオンが驚く。

「7日間……?」

ミラが頷く。

「そうよ! ずっと図書館に籠もって!」

リオンが頭を抱える。

「またか……」

座り込む。

「学者ルシアンが……暴走したのか……」

ミラが隣に座る。

「そうよ」

リオンが謝る。

「ごめん……」

ミラが首を横に振る。

「いいのよ。でも、心配したわ」

リオンが顔を上げる。

「ありがとう……助けてくれて」

ミラが微笑む。

「どういたしまして」

リオンが立ち上がる。

服を絞る。

水が滴る。

ミラが言う。

「これからどうする?」

リオンが考える。

「禁書庫にはまだ読むべき本があるはずだ」

ミラが心配そうに言う。

「でも、また暴走したら……」

リオンが首を横に振る。

「大丈夫。今度は気をつける」

ミラが問う。

「どうやって入るの? 許可証がないのに」

リオンが答える。

「もう一度、評議会に頼んでみる。正式に」

ミラが驚く。

「でも、前は断られたんでしょ?」

リオンが頷く。

「ああ。でも、今度は違う理由で頼む」

ミラが首を傾げる。

「どんな?」

リオンが答える。

「世界を救うために必要だと、正直に話す」

ミラが微笑む。

「それがいいわ」

二人は街に戻った。

宿に入る。

リオンは服を着替える。

ミラが待つ。

リオンが出てくる。

「行こう」

ミラが頷く。

「うん」

二人は宿を出た。

図書館に向かう。

リオンは決意している。

「今度こそ、ちゃんと許可をもらう」

つぶやく。

ミラが隣を歩く。

「私も一緒に行くわ」

リオンが微笑む。

「ありがとう」

図書館が見えてくる。

リオンは深呼吸した。

「よし……」

二人は図書館に入った。

次の一歩へ。


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