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高校1年生、6月⑨

登場人物の名前。

更階さらしな 直人なおと

三浦みうら 陽斗はると

月島つきしま 紗耶さや

佐伯さえき 真守まもる

キャラクター視点で書くと関係性によって呼び方が違い名前が少しわかりずらいです。すいません。

校舎の裏手。


物陰から顔を出すと陽斗と月島がほぼ同時にこちらを見た。

「首尾は?」

「上々!」

俺は小さく頷いて親指を立てる。


「直人ならなんとかすると思ってたわ」

「いや、でもマジで焦った。事務員の顔忘れられん」

陽斗が頭の後ろで手を組みながら、からっと笑う。

「変な子って思われてないかしら……」

月島が恥ずかしそうに言う。

「聞いてくれよ直人、こいつ意外とポンコツでさぁ」

「んな!」

月島が声を裏返し陽斗を睨む。

「誰がポンコツよ!あんたが余計な事をさせるからでしょ!」

ぎゃーぎゃーと始まる二人の言い合いに、さっきまでの緊張感が嘘みたいに溶けていく。


「更階くん」

そんな中、佐伯が俺に話し掛けてきた。

「本当に、ありがとう」

佐伯は視線を落としながら言う。

「まだ終わってないぞ」

そういうと、佐伯はパッと顔を上げて俺の顔を見る。

「明日みんなにちゃんと、照明しないといけないからな。お前が盗んでないって事をさ」

一瞬、言葉を探すように佐伯の唇が揺れたあと、小さく、でもはっきりと頷いた。

「……うん」

その顔は少しだけ安心したように見えたが、それでもまだ怯えを残しているようだった。


ーー証拠は見つけた。

けど、それをどう使うかというのは、また別の話だ。

校門が見えてきたところで、俺は立ち止った。

「あ、悪い」

「俺、まだちょっと用があるからさ、先に帰っててくれ」

3人が一斉に振り返る。

「え?今から?」

「忘れ物でもしたの?」

「まさか、また忍び込むとか言わねえだろうな?」

「しねぇよ」

俺は苦笑して、手を振った。

それ以上は何も言わず、3人はそのまま帰っていった。


校内はさっきよりずっと静かだった。日も大分傾いてきている。

足音がやけに大きく響く。

俺は一度深く息を吸って、職員室の明かりへと向かって歩き出した。


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