高校1年生、6月➂
登場人物の名前。
更階 直人
三浦 陽斗
月島 紗耶
佐伯 真守
キャラクター視点で書くと関係性によって呼び方が違い名前が少しわかりずらいです。すいません。
一瞬、時間が止まる。
「だって事務室に無いんだろ?」
「……まぁそう考えるのもあるけど……」
「他に無くない?」
納得したように頷くやつ。
目を逸らしながらも否定しないやつ。
誰もはっきり肯定しないのに、空気だけがそっちに流れていく。
佐伯は何も言わなかった。
反論しなかったんじゃない。
できないといった顔だった。
「おい、みんな落ち着け。まだそうと決まったわけじゃーー」
「じゃあ、どうするんすか」
担任の言葉に別の誰かが被せる。
「金無いまま文化祭やるんすか?」
教室のざわめきは更に大きくなった。
誰かを悪者にすれば、話が早い。
そんな空気が確実に出来上がっていた中、気付けば俺は机を叩いて立ち上がっていた。
乾いた音が教室に響く。
誰も喋らない。
視線だけが刺さるみたいに集まってくる。
逃げるという選択肢はなぜか思い浮かばなかった。
「--俺は」
胸の奥がぎゅっと締まる。
「俺は、佐伯を信じる」
空気が止まる。
「盗んだとか、そういう話をする前に」
「ちゃんと調べるべきだと思う」
「どうやってだよ」
「今から調べられんの?」
教室のあちこちから短い声が飛んでくる。
「俺が」
「俺がーー証明する!」
声が教室に響いた。
佐伯がはっと顔を上げる。
その目と、初めてちゃんと視線が合った。




