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高校1年生、6月②

登場人物の名前。

更階さらしな 直人なおと

三浦みうら 陽斗はると

月島つきしま 紗耶さや

佐伯さえき 真守まもる

キャラクター視点で書くと関係性によって呼び方が違い名前が少しわかりずらいです。すいません。

「そういや文化祭ってまだ出し物決まってねえんだよな」

弁当を食べ終わった陽斗が思い出したように言う。

「文化祭っていつだっけ、夏休み明け?」

「そうそう9月、俺楽しみにしてるんだよ。なんかさ、青春!って感じするじゃん?やっぱ学生時代の想い出作らないとさ!」

「屋台とかいいよなー、たこ焼きとかさ!俺みんなでわいわいやるのに憧れてんだ!」

と、目を輝かせながら言う。

「そういや中学の時の文化祭って展示ばっかでお祭り感のあるもんじゃなかったな」

「そうそう、あれマジでショックでさー、小学生の頃から楽しみにしてたのに」


陽斗ほどではないが俺もちょっと憧れがある。が陽斗のようにはしゃぐのもなんとなく恥ずかしい。

こんな風に素直に気持ちを出すのがこいつのいいところなんだよな。


「午後のホームルームはその話し合いだろ?会費も一人千円だったし、そんだけあれば何か色々できそうだよなぁ」

その流れで陽斗は後ろを振り返る。

「なぁ佐伯、会費ってもう全員分集まってんの?」

「もう集まったよ。集めた日に事務室に預けてる」

佐伯と呼ばれた男は振り返って答える。

「正確な金額っていくらなん?」

「午後の話し合いの前に確認してくるつもり。三万ちょっとだよ」


佐伯は俺と同じで自己主張が得意じゃないタイプだ。

成績も運動も平均的で前に出るより空気に溶ける方を選ぶ。

細身の体つきに、少し長めの髪。

その髪は視線を避ける言い訳のように、気弱な性格を隠すように目元にかかっていた。



午後のホームルーム前。

佐伯が事務室から戻ってきたとき、教室の空気が少しだけ変わった。

「どうした?佐伯」

教卓に立っていた担任が問いかける。

佐伯は少し困った顔で言った。

「会費……事務室に預かってないって言われました……」


一瞬意味がわからなかった。


「は?」

「どういう事?」

「預けたんだろ?」

ざわっと教室が騒がしくなる。

「うん、預けた。確かに」

佐伯は力の無い声で答える。

「でも記録がないって」

「金庫にも入ってないって言われた」

教室内がさらにざわつき始める。


「ちょっと待てよ」

「じゃあ金どこいったんだよ」

「本当に預けたのか?」

「お前が持ったままとかじゃねえの?」


言葉が少しずつ刺々しくなっていく。

そしてーー


「盗んだんじゃねえの?」


誰の声だったのかはわからない。

でも、その一言だけは、やけに教室に響いた。


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