学園生活の授業2
私たちはのりちゃんが受けている授業を見学していた。普通クラスの体育の授業を受けているけど、見学だから特別に許してもらっている。
「のりちゃん頑張って~」
気が付いたのりちゃんが手を振り返してくれた。エキスパートクラスの体育の授業はおっきい人しかいなくて、私たちよりも小さなのりちゃんがそこに混ざるとものすごく目立つ。
ランニングが始まり尻尾のある人たちの後ろからついて走るのりちゃんのポニーテールがピョコピョコ揺れている。
「編み込みの方が可愛いのに」
「体育だと乱れちゃうからねぇ」
のりちゃんは変な子だ。一人にするとずっと本を読んでいるし、ときどき難しいことを言って意味わからないし、服のセンスが微妙にズレてて可愛いく無いし、手入れをしてないのに髪の毛がすごいキレイだし、お料理がすごい上手だし、お裁縫もプロレベルだし、寝てたら光るし、エルフなのに魔法が凄い下手だし、それなのに魔力が測定不能なくらいあるし、エルフなのに体育がすごい得意だし。授業を聞いてないし、アルバイトばっかりしてるし、なのにテストで何時も満点だし。
これだけ目立つ子だから周りがほおっておかないのに、ほかの人に話しかけないし話しかけられるのを避けてるみたいで、友達がとても少ない。もっとのりちゃんはすごいんだから、こう、あるじゃん。クラスの中心になってみんなを引っ張って行ったり、みんなで頑張ろうとか、そういうことが出来る力がのりちゃんにはあると思うのに、のりちゃんは本当に何もしないし、クラスの中で空気になろうとする。
みんなのりちゃんと仲良くなりたいのに期待をぜんぶ避けるから、無視されているみたいな気になって、クラスのみんなものりちゃんにちょっと強く当たっちゃって、のりちゃんは面倒がってクラスのみんなを無視する。そんな悪循環になってた。
実際、クインビーを気取った上級生に目をつけられて大変なことになりかけたけど、その人が転校しちゃってからは、のりちゃんには触れてはいけないみたいな空気がクラスの中に出来上がってしまった。
「のりちゃんはすごいねぇ」
さっちゃんが見つめる先にに居るのりちゃんは尻尾のある大きな人たちの後ろについて、私だとたぶん全力でも追いつかないんじゃないかなってスピードで走っていた。前を走る尻尾のある大きな人達は牙をむき出しにして全力で走ってるみたいなのに、のりちゃんはぴょんぴょん飛び跳ねるみたいに走ってよゆうそうだ。
「のりちゃんはすごい」
のりちゃんなら尻尾のある大きな人達を抜き去さって一番でゴールが出来るんだろう、でものりちゃんはできるのにやらない。だからみんなムキになってのりちゃんに突っかかっていくのに、のりちゃんはそれを全部さけてしまう。
のりちゃんはそういう嫉妬とか認めてほしいとか友達になりたいとかみんなの感情を、めんどくさい、関わらなきゃいいじゃないかで切り捨ててしまう。
でも、私とさっちゃんは違う。
のりちゃんと同族で二人だけの友達、のりちゃんは何でも一人でできちゃうけど、完璧超人じゃない。魔法はすごい下手だし、服装にも無頓着だし、クラスのみんなや学校の人たちとのかかわりなんかすごい下手だし。
私たちだけに、のりちゃんが甘えてくれるんだ。
そう思うと、心の中がうずうずして、にやけちゃう。
ランニングを終えた大きな人達がバタバタ倒れていく一番最後にのりちゃんんがゴールをして座り込んだ。一人だけ立っていると目立つから座ったんだろうなぁって見ただけでわかる三角座りでちょこんと座って、息も切らしていないぽやっとした顔が、すごい目立っている。
そういうところだよ、のりちゃん。