師匠との生活3
店の駐車場に入ると、コンシェルジュと思わしき人がお出迎えをしてくれて、車から降りようとしたら師匠に止められた。師匠がコンシェルジュに何かしら耳打ちすると、特進いったと引っ込んでいった。しばらくするとコンシェルジュが戻ってきて「お待たせいたしました」車のドアを開けてくれた。
店の中に通されるとラウンジの様な落ち着いた空間に通され、そこには店長と思わしきお姉さんが一人だけ立っていた。
「ようこそいらっしゃいました」
「うん、よろしく頼む」
それだけのやり取りをすると、師匠が私を前へ押し出す。ドナドナされる私をしり目に師匠はソファーに座って飲み物を傾けていた。奥に通されるとそこはお針子のお姉さん方が二人待ち構えていた「採寸させていただきますね」あっという間に裸に剥かれてしまった。
「トータルコーディネートとのご要望でしたので、下着の方もご用意させていただいております」
恭しくガウンを掛けられソファーへと座るようエスコートされると、店長さんが絶妙な距離とタイミングで飲み物を差し出してきた。
「あの、こういうことって良くあるんですか?」
「はい、いいえ、兵部卿孝道様が当店をご利用いただくのは今回が初めてでございます」
大丈夫ですよっとニッコリ微笑む店長さんが請け合ってくれた、何を? ああ、そういう事。自分が何番目かを気に掛ける乙女に見えますか? そうですか。そういえば師匠の名前って兵部卿孝道っていうのな、初めて知ったわ。まぁ通名が無いと不便だもんねそりゃそうだ。
納得している私に店長が相槌を打つ「孝道様は浮いた話一つ社交界でお聞きしたことがございません、こんな可愛らしいお嬢様をお隠しになっておいででしたら、当然ですわね」店長さんはニッコニコだ、ちょっと鼻息が荒くて怖いよ?
「あの、ほんと、そういうのではなくて」
「ええ、わかっておりますとも、当店からゴシップの類が漏れることは一切御座いません」
店長さんの笑顔が力強い、こりゃダメだ。
私のサイズに合う下着を用意できたので渡され更衣室に通された、貴族様だったらパンツの上げ下げまでやってもらうんだろうか、私は貴族に見えないから更衣室に通されたんだろうなぁと思いながら、心を無にして下着を身に着けていく。私に合うサイズのブラってよくあったなぁ、カップは有るのにアンダーが小さすぎて普通に売ってないから、カップ付きのキャミでごまかしてたんだけど、よく見つくろったもんだ。何時もはしまむらのキッズコーナーで事足りてたからなぁ。やっぱり体に合った下着って大事だな。擦れるのが気にならないから背筋がシャンと伸びて形がハッキリくっきり出てかっこよく見える。
更衣室から出ると、女々しか服を着こんだトルソーが並んでいた……え、これを私が着るんですか??
手をワキワキさせて目が充血した店長のお姉さんが待ち構えていた、サッとガウンをはぎ取られると、ピンク色のワンピースを私に着せていく。
うぉぉぉぉぉ居心地がわりぃぃぃぃぃぃぃ。
辛い、メッチャ辛い。しかし、スポンサーでホストの師匠の顔に泥を塗るわけにはいかない、私は恥じらうように、でも、嬉しさを抑えきれないようにスカートの裾を翻し、はにかみながら、別室でまつ師匠に着飾った私を見せに行く。
キラキラ光る店内にトルソーに着せられた煌びやかな衣装が並ぶ、それを順番に着せられては脱がされて着せられては脱がされている。
「とってもお似合いですよ」店長と思わしきお姉さんがつきっきりだ。師匠にもういいんじゃないっすかねと視線を送っても「ふむ、なかなか似合うじゃないか」とご満悦だ。
「お嬢様はお若くていらっしゃいますが顔立ちは可愛いよりも美しいですので、ガーリーよりフェミニンで攻めてみてはいかかでしょう」
「うん、それもいいな。紀子、次はこちらを着てみてくれないか」
殺せ、いっそ殺してくれ!




