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火曜日のバイトの無い日5

バイクに乗るだけで一話書いちゃう。

バイクに乗ったことのある男の子の憧れシチュエーション、うらやましいよね。

 シュンから渡された翡翠色に黒のラインが入っているヘルメットを被ってみるとピッタリだった。なんだこれ私専用感が半端ないな、私じゃなかったら引いてるぞ。


「いつの間に頭のサイズを測ったんだ?」

「お昼寝の時にな」


 マジかよ全く気付かんかった、お昼寝は控えた方がいいかもしれない、何されてるかわからんぞ。


「何もしてない、ときちゃんさっちゃんに聞いてくれ」

「今気が付いたけどさ、もしかして、授業中に居眠りしてたのって、光ってバレバレだったのかな?」

「入学式で光ってたらしいぞ」


 まじか、そういえば入学式の記憶も全くないもんな、光ってたか~。


「それより何かリクエストとかあるか?」

「定食屋? 普通の家庭料理的な物が食べたいかも」

「家庭料理か。食えないものとかアレルギーは有ったっけ?」

「動物性タンパク質はそんなに食べられない、アレルギーは無いよ」

「ご飯とお味噌汁とかで良いのか?」

「それ最高」


 ふむと納得するとシュンがスマホで何処かに連絡をとりだした「一人追加で」とか「そんなに食わない奴だから」とか言っていたので、どこかに予約でも入れたのだろう。奢りだから高い物を食いたいかと言えばそうでもない、師匠の所で料理してると、シンプルで誤魔化しの利かない食事とか作ることになるわけで、そういうお上品でお高そうな食事っていうのは、今日はいらないかなって。今の気分はご飯にお味噌汁に肉じゃがとかそんな気分なんよ。


 こいつ身長高いし厚みもある、手足も長くて太い、それにこのハーレータイプの大型バイクに迫力負けせずに乗りこなしている感すら出ている、まぁ新車なんだけど。

 そういえば二尻するには、免許取って一年以上経ってなきゃいけないし、タンデムステップとかタンデムシートとかつけなきゃダメだったはずなんだが……乗せてもらう身分、野暮なことは言わんでおいてやるか、女の子と二人乗りがしたい思春期の男の子の心が分からいでもない。


「このまま乗ると、またパンツ全開じゃない?」

「大丈夫」


 今日はジャージも短パンも持ってきてないからどうしたものかと思っていると、バイクの隣に立つ私の腋に手を入れて持ち上げ、シュンの前に乗された。


「これ前世の馬で何時もやってたやつだ」

「そうだな」


 シュンの鎖骨の辺りに私の頭頂部があるので頭の上からシュンの声がする。言葉が少なくなる時のシュンはご機嫌な時なので、まぁ大変喜んで頂いているところ恐縮だが、道交法的に大丈夫か? ハンドルもステップもこの体制専用に用意されているのは私専用カスタムすぎるだろ、 さすがの私でも引くぞ? でもこれ口に出して言える雰囲気じゃないな。


 エンジンを掛けて動き出そうとする前にモゾモゾ動いて内股にスカートを巻き込んでおく、向かい風で御開帳して知らん奴にサービスする気もない、皺になるのは諦めよう。


 エンジンの振動をお尻に感じながらバイクが動き出した、左手を私のお腹に回してホールドしようとするシュンの手を掃う。


「馬じゃないんだ、落ちるわけないだろ、あと触りすぎだ」


 まぁ背中にべったりシュンがくっついているので、今更感はあるが、こいつ手つきがなんかいやらしいんだよなぁ。

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