ギルドマスター
一度ティアと盗賊達との戦闘を見たからか、人を殺める事にそんなに精神的ダメージが無かった。まぁ相手がクズだったってのも大きいかもしれない。
そして冒険者ギルドに到着した。相変わらず人が多いな。
「ねぇレイアル。次に似たような事があったら私も殺る。私がレイアルを守るって言ったでしょ?だから今度は私にも任せて」
「分かった。俺達は同じパーティーだしな」
ここでダメだと言ったらきっとメリアは仲間はずれだと感じてしまうかもしれない。
そう話していたら俺たちの番が来た。魔石を換金してもらい、ダンジョンであった事を話した。
「そんなことが。ギルドマスターに相談してくるので暫くお待ちいただけますか?」
「はい」
そして5分後。
「ギルドマスターがお会いになりたいそうです。今から宜しいですか?」
「はい」
そうして職員の後をついていく。1つの扉の前に着きノックをすると
「入れ」
と声がした。扉を開けると中は意外と質素だった。書物をする為の机に、3人掛けのソファーが2つとソファーの間にテーブルが1つ。
「そこに掛けたまえ」
とソファーに案内された。この人凄くデカイ。デカイだけでなく筋肉も凄い。威圧感が半端じゃない。
「大体の事情は聞いた。お前たちがダンジョンの入り口で絡まれていたとの報告もあった。しかも犯罪を犯すならダンジョンの中は狩場になりやすい。ただ、人を殺して襲われた証拠も無いとなると処罰は免れない。」
やはりそうなるよな。
「証拠ならあります。これです」
「これは記録型水晶か。早速確認させていただこう」
そうして映像を確認して終わると
「確かに確認出来た。手間をかけさせてすまなかったな。この件でお前たちが責任を追求される事はない。盗賊狩りと同じ扱いだ」
「分かりました。ありがとうございます」
「だか1つ言っておく。お前達はAランク冒険者が居るクランを全滅させた。それは当然噂になる。もちろん小さいクランは関わろうとしないだろうが、大手のクランからは声がかかるかもしれんし、厄介事になるかもしれん。まぁそのへんは考えておいた方が良い」
「分かりました」
そうして俺達はギルドを後にした。
「それにしても若い連中だったな。」
「はい、どうやら彼らは登録してからまだ半月位のようです」
「本当か?それはまた優秀な人材が現れたもんだな。それでどっか動きそうなクランはあるか?」
「今の所は何とも。何しろ今日の出来事ですし。ただ、あの3大クランは既に情報は掴んでいるかと」
「何事も無ければいいんだがな」