婚約者
「ごきげんようレイアル様」そう言いながら挨拶をするメリア。その所作全てが美しい。本当に15歳なのか?とか思いながら「ごきげんようメリア様今日もとてもお美しいですね」と言うとメリアが真顔になる。怖い。
「レイアル様、前々から申しておりますが私の事はメリアとお呼びください。私達は将来結婚するのですから今のうちに直していただかないと困ります」
本当に怖い。
「そうは言ってもメリアだって僕に敬称を付けていますよね」そう言うとメリアは少し考えて「分かりました。それならお互い敬称は無しと言うことで」
「分かりました」俺は渋々納得し自室に向かう。
実はメリアには転生者である事以外は色々話してある。なんと言っても話しやすいし、メリアは口が固い。俺と一緒に居る時は良く話すが、普段は凛とした姿勢で余り人と関わらないらしい。本当に不思議な子だ。
そして今日は職業の事や冒険者になる事、アイテムボックスの事もやんわりと話した。
はじめは驚いている様子だったが、俺のアイテムボックスの中身が気になるみたいで
「見せて見せて」とせがんで来るので仕方なく2人でアイテムボックスを見る事にした。
「す、凄い量ね。見たこと無いアイテムもいっぱい」と興味津々のご様子。そして近い。メリアの甘い香りがする。とても良い匂いだ。癒やされる。
するとメリアが
「私もレイアルと一緒に冒険者になる。どうせ結婚するんだからずっと一緒に居たほうが良いでしょ?そのほうが私も何かと安心出来るし」
やけに結婚って言葉を強調するな。でもなー。
「ほら、メリアの父様と母様が心配するでしょ。それにただの貴族のレベル上げじゃないし、俺の目標は大迷宮の完全攻略だからさ。危険だよ」
「大丈夫。父様と母様は私が説得するから。それに私の職業知らないでしょ?私の職業ヴァルキリーよ。私がレイアルを守ってあげるよ」
「え」
ヴァルキリーは職業人気ランキング2位の職業だ。攻撃力に特化した槍使いだ。強力な槍技で一撃必殺タイプだ。
しかしこの世界では職業はランダム。ヴァルキリーはアタッカーの中でも最強格だ。ここを逃したらいつ出会えるか分からない。よし。
「分かった。もし公爵様が許してくれたら一緒に冒険者になろう」
そう言うと「ありがとうレイアル」と言ってメリアが満面の笑みで抱きついてきた。良い匂いだし柔らかい。俺がこんな素敵な子と結婚するのかーとおもっていたら。。。
「ねぇレイアル。私とキスしよう」と突然の爆弾発言が飛び出した。