✒ 桜の木 1‐3
モリアーテ
「 ホームスは臆病だなぁ。
大丈夫だって!
そんなに心配なら、推理日記に書いたのを先生に見せてから推理の続きをしよう。
証拠の画像もあるし、プリントアウトして日記と一緒に見せよう。
変態男と変態男の家や室内も写メってあるしさ 」
ホームス
「 モリアーテ…。
何で息するみたいに犯罪してるのさ…。
不法侵入だけじゃなくて盗撮までやらかしてるなんて… 」
モリアーテ
「 問題ないって。
僕達、未成年だし!
未だ8歳だし! 」
ホームス
「 そういう問題じゃないよ… 」
ワトスン
「 ホム、推理日記を書いてよ。
僕達、字が下手だから先生に読んでもらえないよ 」
ホームス
「 ワト,モリアーテ…毎日ちゃんと字の練習してる?
汚文字の探偵なんてナンセンスだよ 」
ワトスン
「 ちゃんと練習してるよ… 」
モリアーテ
「 してるしてる。
ペンが僕の指に合わないだけさ! 」
ホームス
「 ペンの所為じゃないからね 」
溜め息を吐きつつもホームスは担任教師から渡された【 1日1推理日記 】のページを開くとワトスンが桜の木の根元で発見した穴の事を書き始めた。
ホームス
「 こんな感じかな?
疑問が残る感を出して書いてみたよ。
先生からストップが掛かったら推理は打ち切る。
それで良いよね? 」
ワトスン
「 そうだね 」
モリアーテ
「 仕方無いけど、別の事件を探そう 」
ホームス
「 だから、何でも彼でも事件にしないんだってば… 」
懲りてないモリアーテに呆れつつ、【 1日1推理日記 】を抱えたホームスは、ワトスンとモリアーテと共に部屋を出て隣の少年探偵学院の中にある職員室を目指して走った。
モリアーテ
「 チェッ、まさか先生ストップが本当に掛かるなんてなぁ〜〜」
ワトスン
「 仕方無い…のかなぁ?
プリントアウトした証拠まで没収されちゃって… 」
ホームス
「 子供の僕達が首を突っ込んで良い事じゃなかった──って事だよ。
後は、大人の先生達に任せよう 」
モリアーテ
「 あ〜あぁ…面白くなりそうだったのになぁ〜〜〜 」
ワトスン
「 次は何を推理する? 」
ホームス
「 取り敢えず、字の練習しようか 」
ワトスン
「 え゛ぇ゛〜〜〜 」
こうして、 “ 桜の木 ” の根元で発見された穴から始まった “ 推理 ” は幕を閉じた。
先生ストップが掛かった日から数日後──、女性の屍蝋の裸体写真をカンカンへ入れて集めていた変態男は、警察に逮捕された。
桜の木の根元に無断で穴を掘り、カンカンを隠していた罪にも問われるそうだ。
モリアーテ
「 …………逃がした魚はデカかったか…。
少年探偵Fチームの手柄になる筈だったのに!! 」
ワトスン
「 先生に相談しなければ良かったね 」
ホームス
「 馬鹿な事、言わない。
“ 逮捕された ” って事はガチマジで危険人物だった──って事だよ。
あのまま推理を続けなくて良かったんだよ 」
モリアーテ
「 何か……釈然としないなぁ〜〜 」
ワトスン
「 ホム,モティ──、今日は何を推理する? 」
モリアーテ
「 購買のお姉さんが身に付けてるパ●ティの種類について、どうかな? 」
ワトスン
「 お巡りさ〜〜〜ん!
此方来てぇ〜 」
ホームス
「 最低だね… 」
モリアーテ
「 何でだよ?!
身近な事だろ!
それに、男のロマンだし 」
ホームス
「 ワト、行こう。
モリアーテに構ってたら変態が移る 」
ワトスン
「 だよねぇ〜〜 」
モリアーテ
「 コラ、待てよ!
何でパ●ティが駄目なんだよ!? 」
モリアーテは先を歩くホームスとワトスンの後を追って廊下を走るのだった。