表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☀ 少年探偵の “ マル秘 ” 推理日記  作者: 雪*苺
【 恥ずかしい本の持ち主は誰だ?! 】全5話
12/19

⭕ 桜の木 4‐1


──*──*──*── 裏庭


モリアーテ

「 …………なんだぁ、コレ?

  う~ん……日記帳かな?

  鍵が付いてて開かないな… 」


 ものルーティーンで女子院生から追われていたモリアーテは、走りに走って裏庭へていました。


 裏庭には中庭にも負けない程に立派な桜の木が植えられています。


 その桜の木の枝に挟むような状態で鍵付きの日記帳が挟まっていました。


 風に運ばれて飛んでた日記帳が桜の木の枝に挟まったのは先ず有り得ないのは、日記帳を両手で持っているモリアーテでも分かります。


 誰かが故意に日記帳を桜の木の枝に挟んだまま放置して去った──という所でしょうか。


 モリアーテは日記帳をすみ(ずみ)まで確認しましたが名前らしきモノは明記されていません。


 名前の明記がされていなくとも誰かの日記帳である事はモリアーテにも分かりました。


 鍵付きの日記帳なのだから、誰かの日記帳で間違いない訳です。


 誰がなんの為に、なんの目的があって、さまの鍵付き日記帳を裏庭に植えられている桜の木の枝に挟んだのでしょうか?


モリアーテ

おもしれぇじゃん!

  寮室に戻って鍵を抉じ開けたら日記を読んでやろう!

  ふははははっ、事件ゲットだぜ!! 」


 持ち主不明の日記帳を手に入れたモリアーテは、まるでスキップでもしそうな程に楽しそうに男子院生寮へ向かって走り出しました。






──*──*──*── 男子院生寮


ワトスン

「 ホムぅ!

  僕がるのになんでイクダユと一緒に推理してたのさ!

  浮気者ぉ! 」


ホームス

「 浮気者って…。

  イクダユが拾った落とし物の持ち主を探していたから手伝っただけだし… 」


ワトスン

「 だからって距離が近過ぎるよぉ~~!!

  ホムは僕の相棒バディなんだよ!

  僕が名推理ばっかりするからひがんでるの?

  いやがらせ?! 」


ホームス

「 どうして僕がワトの迷推理にひがまないといけないのさ…。

  取り敢えず、イクダユとはワトが思ってるような関係じゃないから… 」


ワトスン

「 むぅ~~~ 」


ホームス

「 そろそろ僕の上から退いてくれないかな? 」


ワトスン

「 “ 取り敢えず ” ってなんだよぉ~~~!

  “ 取り敢えず ” ってぇ!! 」


 ワトスンは学院の廊下でルームメイトでチームメイトで相棒バディのホームスがクラスメイトのイクダユと共に仲睦まじく話ながら歩いている姿を偶然に目撃し、真相をホームスに追求していました。


 推理に関してはギャフンなワトスンではありますが、運動神経抜群のワトスンはどうやら尾行,盗み聞き,読唇術,盗撮,盗聴に関してもホームスやモリアーテよりもうわのようです。


 1日の大半を読書に注ぎ込んでいるホームスよりも運動神経抜群のワトスンの方が腕力も強いらしく、男子院生寮の寮室へ戻ってたワトスンは、ホームスをベッドの上に押し倒していたのです。


 ホームスがワトスンにされるがままになった状態で話をしているのは、ワトスンの背が低くて微塵も脅威ではない事もありますが、実は格闘技をマスターしている未来人のホームスの方がワトスンよりも断然強いからでした。


 普段から読書ばかりしている本の虫なホームスが自分より強いなんて事を微塵も知らないワトスンは、自分以外の男子院生と仲睦まじくしていたホームスに対してプリプリと怒っていたのです。


「 おーーーい、面白いモンを裏庭で見付けてたぞ! 」


 バターーーンと寮室のドアを勢いく開けたモリアーテは、ベッドの上でホームスがワトスンに押し倒されている状態を目撃しました。


モリアーテ

なんだよ、またホームスの浮気現場を目撃したのかよ?

  ワトスンも懲りないなぁ。

  ホームス専属のストーカーに転職でもする気かよ? 」


ワトスン

「 モティ~~~!

  だってだってだってぇ~~~。

  今度の相手はイクダユなんだよぉ! 」


モリアーテ

「 イクダユ?

  あぁ、姫の事かよ。

  安心しろよ、ワトスン。

  イクダユは女みたいに可愛い顔してるけど、男だからさ。

  彼氏になりたがってる(男子)るらしいけど、イクダユはボンキュボンが大好物な僕のしんゆうだから、同性のホームスに興味はねぇよ 」


ワトスン

「 そう言うんじゃないってばぁ!(////)」


ホームス

「 ワト、そろそろ退いて… 」


モリアーテ

「 そんな事よりさ、面白いモンを拾ったんだ!

  鍵を開けるから一緒に中身の日記を読もうぜ! 」


 モリアーテは左手に持っている日記帳をワトスンとホームスへ見せました。


ワトスン

「 日記帳?

  誰の誰のぉ? 」


 ワトスンはホームスの上から退くと軽快な足取りでモリアーテの元まで歩きました。


ホームス

「 モリアーテ、『 裏庭で見付けた 』って拾ってたの? 」


モリアーテ

「 違う違う。

  桜の木の枝に挟まってたんだよ。

  多分、誰かが故意に置いたんだろ 」


ワトスン

「 えぇ~~~。

  モティったら持ってちゃったのぉ? 」


モリアーテ

「 雨が降りそうだからな。

  置いといたら雨に濡れて中身が読めなくなるだろ。

  鍵を開けるから待っててくれよな 」


 全く悪びれもなくモリアーテは日記帳を机の上に置くと、引き出しを開けて鍵を開ける道具を取り出しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ