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第1皇子と第2皇子

「どうした?」




「カイアス様 あなたとここまで来るのに色々お話をしました。 

 カイアス様がどんな人でも皇帝の正妻、つまり今よりも強い権限を得る為なら犠牲になろうと……でも、カイアス様はそんな人じゃなかった!なのに、私はカイアス様に対して失礼な想いを持ったままで…………」




レオノーラは泣きそうな顔だ



セーレは俺はどうしたいい?



「本当は大反対したい所だけどね…。でもあんたの目的を達成する為には皇帝になる事が1番の近道なんじゃないか?

 それにあの約束を守ってくれたら私は満足だしー」



あれかーまあそれはいい!



皇帝になるか……


でも俺はこのレオノーラの頼みを無視して姿を消すほど、終わってない!




「あんたがそれでいいなら私は応援するさ」



「うんうん!カイアスさんなら大丈夫だよ!」



「僕たちもついてますから!」




みんなありがとう

まあ皇帝になれると決まったわけじゃないし



皇帝って普段何してるんだろう……




「レオノーラ 俺も本当は、このスキルが全ての国が嫌いなんだ 

 俺のスキルは遅咲きでさ スキルが開花するまで酷い目にあってたんだ それで俺は帝国を滅ぼしたい もし俺が皇帝になったらその道に進むだろう…それでもいいのか?」




レオノーラは少し驚いた様子だ




「私は戦争が正しいとは思いません でも皇国だけでなく帝国の民も救えるなら私はそうしたいです」




「決まりだな さあレオノーラの家族に宣戦布告と行こうか! 俺、礼儀とか分からないけど大丈夫かな?」




「問題ありませんわ この皇国の皇族は自分で結婚相手を探します 

 スキルが強ければその人の素性はあまり重視されませんの でもスキルは遺伝するという考えが強い為、貴族が負けるとは誰も思いません 

 そして第1皇子のカリグラ兄様は歴代で最強のスキルを持っています 次期皇帝の最有力候補でもあるんです」




「なるほどな 誰が来てもいいが、結局貴族が勝つのは決定しているみたいなものか…」




「そうなんです 実際、貴族たちのスキルはどれも戦闘特化や生産特化など強い部類に入るものばかりなんです」




「そうか でも俺のスキルはそれよりももっと特異な物だ 簡単には負けないさ」




「それを聞いて安心しました さあ 着きました ここが皇城、ザグナス城ですわ」




 首都も皇城の名前もザグナスか…

今の皇帝は自分の名前をつけるのが大好きみたいだ



俺が皇帝になれたら全部変えてやる!





皇城の入り口に着くと兵士たちが出迎える



「おかえりなさいませ レオノーラ様」




「ただいま戻りました お父様はいらっしゃいますか?」



「玉座の間にはカリグラ様とラシード様がいらっしゃいます」




「分かりました そちらに行きます」



「かしこまりました」




俺とデュラン、レオノーラは城の中に入る




 城の中にはメイドや執事、壁際には兵士もいる。



装飾は豪華絢爛だ。

色々キラキラしている。



そして中央の階段を上った、一際大きな扉が玉座の間らしい。




「なあレオノーラ さっき兵士が言ってたカリグラっていうのは第1皇子だろうけど、ラシードっていうのは?」




「ラシードは第2皇子ですわ ラシード兄様はカイアス様も嫌っているスキル至上主義を極端に支持しています」




「俺が1番嫌いなタイプだな」

  



「正直言いますと私もです 出来れば会いたくなかったです」




レオノーラがそんなに嫌う奴か…

どんな奴だろうな



 デュランは従者という事で、玉座の間の外で待つ




大きな扉を兵士が開ける




「レオノーラ様 ご入場です!」



デカい声で叫ぶ




 中には武装した兵士たちが列を作り壁側に並んでいる




 その奥に玉座があった金色でキラキラしていかにも!って感じのやつだ




玉座には誰も座っていない




がその両サイドに2人の男が立っている。




1人は黒髪でタキシードを着ている。


髪型はおかっぱだ……


背は普通だが、絶妙にダサい………


こいつがラシード確定だな


だって性格悪そうだもんなぁ



 もう1人は白のコートを着ている



こっちはカリグラだな


 俺がセーレを呼んだときの姿に似ている。


俺は真っ黒だが、カリグラは真っ白だ



髪も白髪だ 



こっちは聡明って感じだな

よく分からないが




ラシードが話す




「これはこれは誰かと思えばレオノーラか先の戦争はご苦労だった といっても何もしてないだろうがな!」



「こいつ初対面だがイライラさせるねぇ」



俺も同感だ

なんかすげー殴りたいもん




「戻りましたわラシード兄様 地下の防衛をしておりましたが、優秀な兵士のおかげで出番がありませんでしたわ お父様はどこに?」



レオノーラも慣れてるんだろうな

気にしてもいないようだ


 

そしてカリグラも話す

 



「父上は体調が優れないので寝室でお休み中だ それよりレオノーラ そこの男は誰だ?」




「こちらはカイアス様 この度、私と婚約しました。 すぐに式もあげますわ」




ラシードが話す

口を開かないでほしいけど




「フッ!誰を連れてきたかと思えば婚約者か!それ程、次期皇帝の選定に焦っているようだなぁ おいお前!名は何という?スキルは?冒険者か?」




話し方も聞き方もいちいち腹立つな




「カイアスです よろしくお願いします Sランク冒険者です」




スキルは言わない



 まあバレても問題はないだろうが、皇帝選定戦で不利に働くかもしれない



 それにレオノーラの婚約者という事は、民の味方をするという事…

 つまり反感は避けられない為、こちらの情報は極力話さない方がいい



ラシードが続ける




「フハッ!Sランクの平民如きがよく声をかけられたものだ レオノーラも焦りすぎではないか? 

 それ程までにスキル弱者が大切か? あんな奴ら戦場で囮にしか使い道がないではないか!

 囮にすらなれない奴らは全員死刑でいいのだよ!」



こいつ……




「そんな事はありません!カイアス様は私のスキルにも抗いました さらに強いスキルも持っています!選定戦でも負けませんわ!!」



ラシードは顔をしかめる。



「なんだレオノーラ…兄に向かって……生意気だな……少し罰を受けてもらおうか!」




ラシードの目が赤く変わる

スキルを使うのか!



レオノーラに向かって手を伸ばす 


そしてゆっくり手首を捻る。

ラシードのスキル……



〈捻じ曲げる〉

 

視界にある物体を捻じ曲げる事ができる。効果範囲などは不明



レオノーラの左腕がジワジワと反対方向に曲げられていく




「ううっ…………」




レオノーラが苦しみの声を上げる




「おいお前!やめろ!」




俺は叫ぶがラシードは聞かない




「平民如きが口を出すな!選定戦の前だが、そうだな………私の権限であの教会を潰してしまおうか!あそこにいるシスターも子供もスキル弱者ばかりだ!」



「そんな……」

 



レオノーラは涙を流している


その涙の理由は腕を曲げられている痛みではないだろう。



セーレ…来い…


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