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〈魔神〉のスキルの使い方

「ハッ!?ここはどこだ?俺の家は?」

何もない。真っ暗だ。何も見えない



「少年よ、よくぞここまで来た。」



「誰だ?!」



 振り返るとそこには女性が立っていた。


 

 黒く長い髪、赤い目、角も生えている。人間ではない。黒いコートで全身を包んでいる。


「私はアウグ=セーレ。セーレと呼べ。貴様のスキルだ。まだ10歳にもなってない身……で、……混乱…する?

 えっ?なんかデカくない?最近の10歳くらいの子ってこんなに成長するの?」



なんか慌て出してた。




「俺は17だ。さっきからなんの話をしている?」




「はぁ?! 17歳??スキルは8歳くらいから開花するでしょ!あんた何してんの?」




「うるせぇ!!俺が聞きてぇよ!お前が全然起きねえからこっちも酷い目にあってんだよ!」




「いやいや!夢で語りかけたでしょ?ちょっとお茶目心で周りの悪魔みんなで追いかけ回したりしちゃったけど」




「それだよ!それが原因で怖くて名前言えなかったんだろうが!!面倒な事しやがってバカ!」





「なにー?バカだと服従を司る神である私にバカだと?あーあーもう今回の宿主最悪だわー。やる気も元気もなくなるわー」




なんだこいつ…。それでも神か?





「でも…まあいい。カイアス。今、貴様の記憶を見たが、なかなか悲惨な過去を持っているな。

 だが今日からは私がいる。貴様のスキル〈魔神〉は、魔神である私が所有するスキルと使役している45の悪魔のスキルを使用できるものだ。計46のスキルを使える。」



 俺の名前 それにスキルが46だと?!スキルは1人につき1つのはず



「悪魔のスキルは追々覚えろ。今は私のスキル〈服従〉の説明をしてやろう。」




 セーレが言うには、名前を呼ぶ事で、魔神を自分の身体に融合させる。



 この時の身体融合度によって自身の姿は悪魔に近づき、どこまでの出力で使えるかが決まる。 本人の身体能力によって左右されるようだ




 セーレのスキル〈服従〉は生物、無機物関係なく語りかける事で支配下における。




 無機物であれば問答無用で、生物に関しては声を認識した時点で決まる。返事の有無は関係ない、要は聞こえたら支配完了だそうだ。




「すごい…。凄すぎるぞ!これであいつらにも復讐できる!」





セーレはニヤリと笑う。





「いいねいいねぇ。今回の宿主は当たりだ。今までは、やれ正義だの、救いだの、皆の為だの甘い事ばかり言う連中だったが、お前は遅咲きだから世界に対して憎しみが強いようだ。楽しめそうだなぁ」




 確かに5~8歳くらいで世界に憎しみ持ってる奴なんて相当な奴だろう。




「それにお前は肉体労働ばかりしていたから既に私の力を80%の出力で使える。

 スキルに頼りすぎて身体を鍛えなくなった奴しかいない世界でお前ほど私のスキルを使いこなせる奴はいないだろう。

 さぁ、そろそろ戻ろう。心で念じれば私と会話はできるし、名前を呼べばスキルも使える!さあ、共にこの世界に裁きを降そうではないか!!!」




そうしてまた意識が遠のく。

少女の声が聞こえる。




「カイアス様?カイアス様起きてください!あっ目覚めましたか?よかったです。意識を失ってしまい。どうなることか」




フィーナが泣いている。よく泣く子だ。




「大丈夫だ。心配かけた。それに俺もスキルが使えるようになったみたいだ。〈魔神〉のスキル堪能させてもらおう」




「え?ああ。それは良かったです。あの…これからどうするのですか?」




「俺は今まで、酷い目に遭ってきた。それをした奴らも、それを見捨てた大人も、それを許した世界も!全てに復讐する!俺が全ての国を手中に収め、スキルが主流のこの世界を壊してやる」




フィーナの表情が変わった。




「それはダメです!酷い目にあったとしてもスキルは世界を発展させる為、平和の為に使うべきです!世界を壊すなんて」




「なぜ?お前もそのスキルのせいで酷い目にあっていたんじゃないのか?さっきも囮にされ最後には殺されそうになっていただろう?お前は俺に賛同してくれると思ったが…」





「世界を壊すことを応援することなんて出来ません!!」





「そうか。残念だ。じゃあ俺は手始めに街まで行く」




外に行こうとした時、フィーナが目の前に立ちはだかる。





「行かせません。あなたのスキルを開花させてしまった私の責任です。ここで止めます」





 スキルを開花してくれた事には感謝している

 しかし、邪魔するなら容赦はしない。



スキルを……それも強力なスキルを手に入れた俺にはもう自分を抑える余裕もない。




「………来い!セーレ 50%だ」




 黒い霧が俺を包む。服装も農民の服装から真っ黒なコートに変わる。角も生えてる。少し変な感じだ。




「ハハハッ!早速呼んだなぁ。それにいきなり50%とは、いやいや恐れ入った。〈服従〉の使い方は分かるな?それにこの姿なら他の使役している悪魔のスキルも使える。何となくだが理解できるだろう?さあ、存分に暴れろ!!」





「ま、魔神。それがあなたのスキル。なんて禍々しい……」





 フィーナが怯えている。それでも退いてくれないのか。仕方ないか。殺すことはしない。恩があるから。




「命ずる。そこを退け。」




フィーナの青い瞳がうっすらと黒みがかり脱力したような感じになる。




「はい。カイアス様。」




 フィーナが入り口から移動する。この〈服従〉はどこまでの命令が通用するのだろう




「そりゃ複雑な命令は難しいさ だから分かりやすく伝える事が、使いこなすコツさね」




なるほど





「命ずる。俺がここから離れた1時間後に支配を解除する。俺の事は忘れろ。ブラックベアも自分で退けたとしろ。」




「かしこまりました。」





フィーナは力なく答える。




「じゃあさよならだ。色々とありがとう。もう出会わないことを願うよ。」





俺は別の悪魔のスキルを使う。




「〈浮遊〉」





フワッと身体が浮いた。〈服従〉を維持したまま別のスキルも使える。同時に幾つまで使えるのか




セーレの声が聞こえる。





「100%なら際限なく使える。だが、50%なら4つくらいにしておきな?脳への負担が大きくなるからねぇ」





 やはり制限はあるか。




 でもこれならあいつらにも復讐できる。

 今まで殺されかけたからな。これからはこっちが殺す番だ!!





 まずが俺が暮らした街、ルーヴェルからだ!

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