夜の話と冒険者仲間
〈空間転移〉
で森に帰ってきた。
復讐を俺は必ず成功させる。
その為にSSランクを目指す。その目標に近付いているはずなのに…
なんだろう…これじゃないんだよ感は
考えるだけ虚しくなるな
もう寝るかぁー
布団に入り眠りにつく。
その日は夢を見た。
「あれ?ここどこだ?真っ暗だ。」
セーレと初めて会った場所を思い出す。
「やあ!カイアス君!」
後ろから抱きつかれた。
「うぎゃあ!!」
びっくりし過ぎて変な声が出た。セーレを振り解く。
「ちょ!なんだい?せっかく私が優しくしてやってるのにー。うぎゃあ!なんて声出して」
「いきなり何するんだセーレ!って!!
なんで服着てないんだよ!!」
そこには何も着ていないセーレが立っている。何も見ないように全力を尽くすがいけるか?!
「あんたがさぁー。昼間に冒険者組合の受付のお姉さんにニヤついてさぁ。私というものがいながら!それに会えないしーだって?夢なら直接触れ合えるんだよ!!今日は寝かさないよ?神というものを堪能させてやろう!」
腕を掴まれる。魔神だけあってすごい力だ。俺はなす術もなく布団に連れ込まれ。
色々された…。本当に色々だ…。 ………色々。……………はい。
「はーあ゛あ゛あ?!」
そうやって飛び起きた。俺の身体はなんともない。
夢は夢だが、妙に感触がリアルでヤバイ…
「起きたかい?」
頭の中で声が聞こえる。
「まっ!これに懲りたら他の女にデレるんじゃないよ?分かったね?」
「はい……。以後、気をつけます。………はい」
今日はもう働きたくない…
初めて冒険者としての仕事をサボった。
まだ2日しか経ってないけど
昨日は1日家でボケーっとしたが、今日はウェグリアへ向かう。
「いやー!今日もいい天気だねえ。今日も1日頑張ろうね!」
こいつは昨日からご機嫌だ。
もうあの件は忘れよう…
さて、行くか
〈空間転移〉
ウェグリア近くの林に着地する。
あー昨日1日ダラダラしてたから身体が痛え
「あんたってさぁ。本当に17かい?それにしてはオッサンみたいな事言うねぇ」
うるさいな。普段身体を動かしてばかりだから何もしない日があると身体痛くなるんだよ
そんなことより今日は何しようか…
Aランクになったし、凄い金持ちになったけどSSランクなんてそう簡単に出会えるもんでもないだろし
とりあえず難しいクエストやっていくか
冒険者組合に着いた。入り口から既に視線が集まる。
注目浴びるのはやはり慣れない。
受付のお姉さんがこっちに走ってきた。
かわいいなぁ……
「あん?!」
セーレが即座に反応する。
すいませんすいませんすいません
「カイアスさん!Aランク昇格おめでとうございます!これ新しい冒険者カードです。 あ!あと、私、アリサっていいます。よろしくお願いします!」
アリサか……名前も可愛い
「あ〝あん?」
……………とか思ってませんけど?
「アリサさん。よろしくお願いします。今日は何か手頃なクエストでもやろうかと思って」
「はい!沢山ありますので、好きに選んで下さい」
掲示板の前で悩む。
モンスターの名前沢山あるけどランクしか分からん!冒険者に依頼が行くような魔獣とは縁がなかったからなぁ
とりあえずランクアップ出来そうなクエストはあるかな
1人でボケーと考えていると、声をかけられる
「あ、あの!カイアスさん!」
「ん?」
振り返るとそこには4人組の冒険者がいた。
ランクは高くはないな
「あのいきなりすいません!俺、アルフレッドといいます。アルフって呼ばれてます。カイアスさんはAランクですよね?あの!お願いがあります!!」
小柄だが元気なアルフ
小太りだが大きな斧を持っているウォーカー
双剣を腰から下げている小柄な少女カルラ
杖を持ち魔法使いみたいな格好をした同じく少女のケイト
のDランクパーティーだそうだ。
「頼みってなに?」
アルフは少し言い辛そうだ。他の3人が背中を押す
「あの…。俺には小さな妹がいます。少し病弱で……。俺たち2人で暮らしていて、その妹が病気なんです。でも、難病のようで治す為には、白夜草という植物が必要なんです。でもそこにはAランクの魔獣、クリスタルワイバーンの生息地で」
なるほど。それでAランクの俺に言いにきたのか。
パーティー内メンバーの最高ランクのクエストに行ける。普通は同じランク同士でパーティーを組むものだそうだ。
効率的に考えるとそれが1番なのだろう
「カイアスさんはソロだと聞きました。このクエストだけでも構いません!協力して下さい!お願いします!!」
他の3人も頭を下げる。
これは、断れないなぁ
「ああ。いいよ。一緒に行こうか」
4人の顔が明るくなる。
お互い準備を済ませてウェグリアの門まで移動する。これは頼み事を聞いているだけでクエストではないからランクアップとは関係ないが、たまにはこういうもの悪くない。
Aランクが下のランクの者を無償で助けたという噂が広がればSSランクにも近付けるかもしれない。
そうして俺たちは出発した。
俺のスキルは〈破砕〉という事になっているから空は飛べず。馬車を雇っての移動だった。
道中、お互いのスキルの説明をした。
連携が取れるようにとの事だ。
アルフレッド スキル〈超投擲〉投げた物が凄い速度になる。
ウォーカー スキル〈剛腕〉腕力を強化する
重い物も軽く持てる。
カルラ スキル〈斬撃軌道〉剣による斬撃を操作できる。その場に置くことも可能。
ケイト スキル〈光弾〉光の弾を発射する。杖などで指向性を持たせコントロールも上がる。
なるほど。なかなか面白いスキルだな
でも、これでワイバーンを倒せるかは確かに微妙だ
「なぁ?クリスタルワイバーンってどれくらい強いんだ?」
「「「ええ?」」」
え?なに?
アルフが話す
「クリスタルワイバーンは全身が水晶で進まれた翼竜です!基本的に群は作らず単体で動きます。その水晶はかなり硬く生半可な攻撃では傷もつけられません。僕たちでは勝てませんが、カイアスさんの〈破砕〉なら触れれば倒せますよね?」
「あーそうだな。楽勝だろう」
みんな嬉しそうに話す。
「でも1つ聞いていいか?なぜ、俺なんだ?冒険者に依頼として要請するだったり、クリスタルワイバーンクラスなら他のSランクも討伐するだろう?どうして昨日Aランクになったばかりの俺なんだ?」
アルフもみんなも言い辛そうだ。
「どうした?妹がなにかあるのか?」
「すいません!騙すつもりはなかったんです! 実は俺の妹は……ドロップアウトなんです!」
言葉が出なかった。この街にも居たのか…
「こいつらは昔からの友人で、妹、シルフィー事も大事にしてくれていて。ドロップアウトと知っても協力してくれたんです。
でも両親は2年前に居なくなりました。
病気になっても誰も助けてくれなくなってしまい」
「妹は何歳だ?」
「え?10歳です。」
10歳の病気の子を、兄を捨てたのか?
この子達の両親は…。俺と重なる。
でもこの子には理解者がいた分、いくらかマシか……
やはりこの世界は間違ってる。許せない…
絶対にアルフの妹を救う
クリスタルワイバーン…
必ずお前を倒してやる!!




