7駅目
「おはようございます!」
「ええ。おはよう」
次の日、既にメルザスさんは出勤していました。
もう制服に着替えています。
やっぱり似合っていますね。
「じゃあ、届くまでは代わりのこれを着てね」
「はい!」
クリーム色の制服とスカート。
こうして見てみると、少し独特な感じがする。
何となく似合いそう。
早速更衣室で着替えました。
他人に見られるのは恥ずかしいと思いましたが、更衣室には誰もいませんでした。
「良いですね~」
鏡を見てみると、やっぱり似合っています。
魅力的ですね。
「何やっているの?」
「あっ……」
ついポーズを。
家のような感じでやってしまいました。
ちょっと恥ずかしい……
「まあ良いわ。とりあえず、今日の仕事だけれども、まずはマルセイブールへ行って荷物を持ってくるというのを」
紙を渡されて説明しています。
「分かりました」
「とりあえず、勤務開始まで時間があるからそこで座っていて」
「はい」
ということで、テレビを見てみる。
朝の情報番組がやっていた。
今はタレントの動向を詳しく流しているみたい。でも、私にとっては興味のないタレント。
でも、ただ時間を潰すよりはいいかな。
「ふう、じゃあ行きましょうか」
「はい!」
気がついたら時間に。
私達は事務室を出ていく。
朝のグリサ駅はお客さんでごった返していて、数十メートル先が見えない。
「大丈夫?」
「え、ええ……」
メルザスさんとはぐれないようにしないと。
どこかのゲームに出てくる主人公みたいに、人混みをジャンプしてすり抜けたい。
それにしても、こんなに遠く感じるなんて。
「こっちよ」
すでにメルザスさんは改札口に。
私もなんとかたどり着く。
これから毎日こんな事をしないとなんて。
早く慣れないと。
「やっと……」
改札の中に入っても、お客さんは多い。
それでも、さっきよりは何とかスムーズ。
やっぱり慣れたみたい。
「この列車ね」
そのホームに停まっていたのは、気動車でした。
何両も連結していて、何とか通勤にも対応しているような感じです。
でも、気動車ですけれど。
「そこそこ古そうですね」
「まあね。だからこんな時間に運転するのよ」
とりあえず乗り込む。
中は同じように古い。
ドアの横にトイレもある。
「私達はどこにいれば」
「まあ、ここに立っていて」
「分かりました」
停車しているときも、気動車のエンジン音が響いていく。
発車するまでにお客さんは全ての席が埋まって、数人が立つくらいの混み具合になった。
そして、けたたましい音と共に、ゆっくりと列車は動いていく。
ホームを離れ、駅を出て行った。