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特別配達人  作者: 東都新宮
2/19

2駅目

「うう……」

 少し気まずい。 でも、どうせ一期一会。

 もう会うことはないと思うし。

 このまま終点まで乗っていれば、どこかで降りるだろうから、気にすることは無いよね。

 うん、大丈夫。

「綺麗……」

 窓からは南の海が夕日で赤く染まっている。

 やっぱりこの時間っていいもの。

「ああ、もう一日が終わるのですね」

 乗っているだけでも、時間が過ぎるのって早い。

 これまで乗っているだけだったけれども、明日の朝で目的地。

 あっというま。

 目の前の女性とは話せる雰囲気じゃないので、本を読んでいく。

 この本は有名な魔法ファンタジーの小説。

 私の国でも人気。

 まだ一巻だけれども、引き込まれそうな感じになってしまう。

 読んでいて面白い。

「あっ、そろそろですね」

 この巻が終わりになった頃、制服姿の女性がやってきました。

「お弁当はいりませんか?」

 車内販売みたい。

 この列車に乗っていたら、毎食時にやってきます。

「お願いします!」

「こちらもお願い」

 お金を支払って、弁当を受け取る。

 目の前の女性も買っていました。

「いただきます」

 お弁当の中身は、パン、牛肉のステーキ、エビと野菜のサラダ。

 パンやステーキが温かいから、食堂車で調理したばっかりみたい。

「うん!」

 味は悪くない。

 そこそこかな。

「ふう」

 しばらくして食べ終わった。

 近くのゴミ箱に容器を入れる。

 長時間停まる駅で入れ替えていると思うけれども、食事時だから結構ゴミが詰まっている。

 これも、しばらくしたら入れ替えるのかな。

 まあ、いいや。

 私は座席に戻って、窓の外を見る。

 すでに真っ暗になっていて、まばらにある家の灯りだけが見えている。

「ねえ、運命の出会いって、したことはあるかしら?」

 突然目の前の女性から言われた。

 一瞬びっくりしてしまう。

「で、出会い……ですか?」

 どもりながらの返事。

 すぐに思い出そうとする。そんなに無かったっけ。

 友人と出会ったのだって、所謂普通の出会いだけ。ましてや、登校途中にぶつかって、その人物が転校生だったというのは無かったりする。

「ありませんでした」

 でも、いつかはしてみたい。

「そうなのね。もしも、貴女が夕方に言っていた、一緒に働く人が、ボクだったらどうする?」

 この女性が一緒に働く……

 良いかもしれない。

 ちょっと怖い感じはするけれども、頼れそうだし。

「嬉しいですね。それだと、運命的な出会いですね。一緒に乗った列車で出会うなんて」

「そうなると良いね」

 女性はにっこりとしていた。

 かわいらしいですね。

「どうしました?」

 顔を紅くしている。

「な、何でもない、寝るわ!」

 女性は横になってしまう。

 どうしたのかな。

 でも、こっちも眠くなってきてしまったので眠ることに。

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