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7話 イノシシ討伐


 あの微妙な味の食堂で昼食を終えた後、依頼を受けることになった。

 俺としては朝が早くて道中のバスで酔ったということもあってゆっくりしたい気持ちもあったけど、リーゼルさんとウォルフさん、ジンさん達中心で話し合いをしてそういうことになった。

 だからと言って不満なわけではない。

 だって、そもそも自分から今日は嫌だといわなかったし、早めに依頼を終わらせた方がいいのは間違いないから。


「これイノシシを狩るよりも、生息地に行く方が大変ですね……」


 ジンさんが言っている通り、イノシシの生息地は森の中なので歩く場所が木の根や植物が張っていて足場が悪かったり、虫が多かったりして道のりが厳しい。

 基本的に引きこもっていて体もまともに動かすことがないから、俺としてもかなりしんどいものがある。


「そうか?俺とウォルフは慣れているからいつも通りって感じだけどな」


 なんか勝手にウォルフさんも慣れていることになっているけど、実際に二人の足取りは足場が悪い道のりを苦にしている様子はない。


「はー、失敗したかなこの依頼にしたのは。よくよく考えるとゴブリンなんてたいしたことなさそうだし、そっちにすれば良かったですね」


 そういうジンさんはぐったりとしていた。数分に一回はため息をついているので本当にしんどいのだろう。


「セーネちゃん、どうしたの?」


「虫嫌い」


 リーゼルさんはセーネさんに声を掛けると、セーネさんは無表情なはずなのに嫌悪していることが伝わってくる。

 かなり嫌なのだろう。


「黒上は大丈夫か」


「……ええ、はい」


 俺はつらくて若干ボーっとしながら歩いていた所だったので、リーゼルさんにそっけない感じで返した。


「ゴブリンは平原にいる依頼もあるらしいから、次はそういうのにするか」


 ウォルフさんの提案を聞いた俺は、疲れているけどそうして欲しいので力ない感じだけど首を縦に振った。


 イノシシの討伐は、元々魔法がなくても狩れる動物なので魔法を覚えた自分たちにとっては余裕で、一瞬で蹴りが付いた。

 俺はその時、こんなことのためにあの足場の悪い道を歩いてきたのかと、内心少し切れそうになった、というか若干切れた。

 帰り道も悪戦苦闘していたセーネさん以外の俺とジンさんは町に着いたときにはクタクタだった。セーネさんにどうして疲れてなかったのかリーゼルさんが聞いていたが、虫が嫌だっただけで体力的には余裕だったからと答えていた。





 ぐったりしている者達が二名――俺とジンさんがいたので、すぐに宿をとった。


「はぁ~、疲かれました。もう森の中はこりごりです」


 ジンさんは椅子の背の部分に腕を乗っけた状態でぐでーっとしている。


「お前達、森で狩りをしたことなかったのか?俺たちなんか、毎日森の中を駆け回っていたぜ」


「僕が住んでいたところは砂漠で、森とかがなかったですからね」


「ない」


「王都に住んでいたので、そういったことに縁がなかったですね」


 リーゼルさんの質問に対して、ジンさん、セーネさん、俺の順で答えた。


「王都に住んでいた人でも、このクラスに入ったりするんだな」


 ウォルフさんは意外そうな顔する。


「別に王都に住んでいるからって、お金持ちというわけではないですよ」


「へー、そんなもんなんだな」


 そんな会話をしているうちに全員の食事も終わり、その後は特に何もなく一日が過ぎていった。


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