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6話 冒険者

 俺たちは課題である依頼を受けるために、冒険者ギルドに来ていた。

 冒険者ギルドとは、元々未知の場所を探索する者達を支援するために作られたらしい。

 まあ今でもそういう面もあるらしいけど、基本的にはどぶ掃除や野犬などの害獣駆除、モンスター討伐、薬草採取などの依頼をこなす何でも屋という印象を持っている人が多いと思う。


「そういえば、冒険者カード持ってるか」

 

 ウォルフさんは俺たち四人を見ながら言った。

俺はやべー忘れてたと思いながら、頭を横に振った。


 ウォルフさんが言った冒険者カードとは自分が冒険者ギルドに所属していることを証明する物だ。

 他にもいろいろな機能があり、例えば受ける依頼が達成することができるかどうかを見定められるランクが分かるようになっていたりする。


「あー、忘れてた」


「僕は持ってますよ」


「……」


 俺とリーゼルさんとセーネさんが持っていないと意思表示をしている中、ジンさんだけが持っていることを主張した。


「はぁ、持ってるの俺とジンだけかよ。登録の手続きはそんな大変じゃないから、早く登録してこい」


 ウォルフさんはしっかり者ぽいから、今回の実習で冒険者カードを使うことはわかっていたので、ここに来る前にしっかりと発行していたのだろう。それにジンさんも。

 まあ、事前に言われていたのにやっていなかった俺たちの方があれなのかもしれないけど……。

 俺はちょっと申し訳ないなーと思いつつも、何も言わずに冒険者カードを発行しに行った。





「じゃあどの依頼を受けるか決めるか」


「やっぱり、最初の依頼と言ったらこれでしょ」


 リーゼルさんが我先にと見せてきた依頼はゴブリンの討伐だった。

ゴブリンはそこらで暮らしている村人が、一対一で戦ったとしても村人に采配が上がるぐらいには弱い。


「それはないでしょ。七回依頼達成が条件なのに、もっと楽な依頼がある中それを選ぶ理由ないですよ」


 ジンさんそれはないでしょといった感じを言う。

 ゴブリンは最弱ともまで言われる魔物だ。しかし、魔物の中で最弱なのであって、知恵も幼児期の子供くらいはあるためそこらの獣よりはやっかいな存在ではある。

 よって、そこらに生息しているウサギを狩っていた方が安全だし楽だといえるだろう。


「ほらこれとかいいじゃないですか」


 ジンさんが示してきたのはイノシシの討伐だ。

 それを見たリーゼルさんはいかにも不満がありますと言いたいのが分かる表情をした。


「それじゃ村でやってたことと同じでつまらないじゃないか。なあ、黒上」


 正直言ってたいして難易度は変わらなそうだからどっちでもいいし、何なら楽そうな依頼の方がいいんだけどなんて思いつつも、そんなことは言えないので俺は苦笑いで誤魔化した。


「じゃあどっちの意見も採用して、イノシシを狩った後にゴブリン討伐でよくないか?」


 俺は面倒くさくなってきたな思っているところに、ウォルフさんが口をはさんだ。


「俺はそれでいいぜ」


「まあ、僕もそれでいいです」


 ウォルフさんの提案に対して、リーゼルさんは肯定的に、ジンさんはしょうがないといった感じで返した。

 俺はジンさんはそれでいいのかと思いつつも、おそらくここで言い争うことの方が面倒くさいことに気づいたんだろうなと思った。


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