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4話 課外実習


 俺は黒板の隅に書かれている、今日の日直当番の名前の上に五月一日と書かれているのを見て、一ヶ月経ったのか……なんて思いに浸っていた。

 そんな思いに浸っていたので、うちのクラスの担任であるセリカ先生の声を聴きとれてなかった。

 しかし、さすがにそんなどうでもいい思いに浸ってないで話を聞いて方がいいかと思い、セリカ先生の方へと意識を向けた。


「次の金曜日にレイタウンに実習しに行くことになりました。今回の実習はとってもいい経験になると思うので、皆さん頑張りましょう!」

 

 俺はなんか面倒くさそうだなと思っていると、周りがざわつき始める。


 基本的にこの学園はいろいろな物がそろっているため不自由に感じたことがないし、遊ぶ施設もそろっている。

 でも、うちのクラスの生徒は魔法など習ったことがないし、他のクラスと比べると一般教養の成績が悪い人も多いらしいので、授業に追いつくことに精一杯で遊んでいる暇なんてないと思う。

 実際にうちのクラスの人たちが遊んでいる姿なんて見たことないし。

 まあ、他のクラスの人たちは幼少期から勉強して来たのに対して、うちのクラスの人たちは大したことを習ってこなかっただろうから、そりゃそうだよなって感じだけど。


 そうなると、やっぱり遊びたいと言う感情をクラス全員持て余してしまうことになるだろう。

 そこで、近辺でも大きめな都市であるレイタウンに行くとなれば、いろいろと期待してしまうのだろう。


「レイタウンでは1グループを五人に分け、ギルドの依頼を受けて達成してもらいます。 それを、一週間以内に七つこなしてください。ちなみにですが、早く終わったグループは自由時間とします」


 俺は周りが少しうるさいなと思ってセリカ先生を見ると、微笑ましそうにクラス全体を見渡していた。

 セリカ先生はかなり温厚な性格なためそういう反応するのも納得はするけど、他の先生だったらうるさいと怒鳴られる事態だろうに、いいのかそれで?


「ただ、未達成の場合は休日を補習授業とします」


 補習授業という単語が出た瞬間、クラス中がシーンとなる。

 ……はあ、俺も補習はやだし、頑張ろう。





 補習があるという事実を突きつけられても、なんだかんだでクラス中が賑わっていた。


 グループ分けは自分たちの自由らしい。それを聞いたとき、自分以外のほとんどが盛り上がっている中で大きくため息をついた。グループ決めが自由であることは友達のいない自分にとって、今までの生きてきた中で一、二位を争う難題だからだ。

 正直言って、くじで決めてほしかったと思っている。


「よお、黒上。俺とグループを組まないか?」


 そんなわけで憂鬱な気分でいたところに、リーゼルさんが話しかけてきた。

 リーゼルさんの言葉によって、グループ決めどうしようとか、人に声を掛けたりとかしなきゃいけないのか、面倒くさいなといった負の感情が晴れた。

 しかし、よくよく考えてみるとなぜ自分の所に来たのか疑問に思った。 

 関わりがあるのでリーゼルさんから誘われる可能性はあるかも知れないと一ミリ程は期待していたけど、リーゼルさんは友人が多いから誘って来ないだろうと思っていたからだ。

 

「いや~、そこそこお前成績いいじゃん。だからさ、同じグループになってくれたら助かるんだ、頼む」

 

 リーゼルさんは頭を下げ片目を閉じもう片方の目をこっちに向けて、手を合わせた。


「えっと、はい。あの、よろしくお願いします」


 むしろ助かったのは俺の方なので了承した。


「おう、一緒に頑張ろうな。ウォルフも決定してるから、あと二人探してくるわ」


 俺はリーゼルさんが去っていく姿を見ながら、自分も手伝いますとか言った方が良かったのかなとか思った。


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