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16話 待ち合わせ

 とうとう、心の底から待ちに待ってない日曜日が来てしまった。生徒会長との魔獣討伐の日が。

 昨日と同様に一日中だらだらと休日を過ごしたかったな~なんて思いを引きずりながら、集合場所であるレント駅にちょうどついた。

 はあ、なんか微妙に頭が痛い。


「黒上君、おはようございます」


「あ、はい。おはようございます」


「……もしかして黒上君、眠いのですか」


 分かるだろ目の下のクマを見れば。ねむいよ。

 だって、家からここまで約五十分。白飯、トマトとキャベツの千切り、焼き魚といった手の込んだ使い魔の朝食を食うのにも、二十分はかかる。勿論食べないことは許されない。

 歯磨きとか顔を洗うとかでも五分かかる。そして、集合時間は朝七時だから余裕を持って五時三十分には起きなければいけない。

 

 そんなの大変じゃないだろうという奴もいるかも知れないが、いつも七時に起きて八時からの授業に間に合うようにといった生活を送っている自分に対してそんなことが言えるのか?

 俺は毎朝早くから仕事があるような想像上の人間相手に半場逆切れする。


「ええ、少し寝不足ではあるかも知れません。でもこれくらいなら大丈夫です」


「そうですか……。ですが無理はよくありませんから汽車で今日の予定を伝え終わった後、目的地まで体を休めて結構ですよ。」


「……いいんですか。じゃあ、そうさせてもらいます」


 俺たちはそんな会話をしているうちに、ガタンゴトンと音を立てながらホームに電車が到着する。


「では、乗りましょう」


 少し重く感じる瞼を開きながら、生徒会長について行く形で電車に乗った。





 俺は生徒会長と今、対面して座っている。

 この汽車の一両車は二つの椅子が隣り合っているのが二セット、その二セットの椅子の間にテーブルが一つという構成が六つあるという感じだ。そのため、必然的に生徒会長とは対面して座ることになる。

 ……なんかテーブルとか椅子とか結構良さそうなもの使ってるように見えるから、これかなり値段する汽車とかじゃないのか?個室ではないから、そうでもないのかな?

 ……まあ、それは置いておくとして、生徒会室の時もロンウェイで食事したときも生徒会長と対面して座っていたけど、汽車の中だと自分たちの関係を知らない人が必然的にいるため、この場面を知られたらやっかいごとになりそうだなとか思ってしまう。

 多分知り合いはいないので関係ないとは思うのだけど。


 そんな気にしてもしょうがないことを考えていたところに、生徒会長から話しかけられた。


「今日は電車を降りた後、立ち入り禁止エリアまでタクシーで約三十分乗ります。立ち入り禁止エリアからサラマンダーの群れがいる火山の麓まで飛行魔法を使って行きます。あっ、黒上君は飛翔魔法を使えますか?」


 確か、飛翔魔法って使用禁止魔法じゃなかったっけ?

 一応、ちょっと難しい程度の魔法なので使えはするが。

 立ち入り禁止エリアになっている理由は、多分サラマンダーが出たことが理由であることが推測できるから、立ち入り禁止エリアに入る理由はわかる。

 だけど、飛翔魔法を使っていい理由がわからない。


「飛翔魔法を使っても大丈夫なんですか?」


「大丈夫ですよ。飛翔魔法が禁止されている理由は、町中などで飛んでいる途中に物を落としたら危険だからです。今回は、そのようなことが起こりえないため使用が許可されています」


「へぇー、そうなんですか」


「戦闘に関しては、現地の様子を見て決めましょう。私からは以上です。お疲れのようですから目的地まで休んでいていいですよ」


 なんかもうあまり眠くなくなってきたけど、起きている理由もないので睡眠をとることにした。


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