2/3
朧月
求めたのは
不明瞭なあなたと
見つめ合う時間です
名前を呼ばないあなたと
同じように
輪郭を持たなかった私にも
触れ合いは不要でした
恒が姿を隠す間
都合良く解釈させるあなたを
仰ぎながら
これっきりにしようと
決めました
酷く安らかな沈黙に
埋もれてしまわない内に
視線を逸らしたのは
耐えられそうになかったからです
夢も湯も何もかも
繰り返していくことで
特別なものではなくなって
初めては遠くにあります
飛来する黄色い噂でさえも
あやふやなあなたを
美しく飾り立てるようで
なんだか可笑しくなりました
今夜
曖昧なあなたに
照らされる私には
危なげない影があります