表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/48

まずはお友達から(前)

 

「頼む! お金はもちろんいらないし行きも帰りも私が一緒だし絶対大丈夫だから!」


 お姉ちゃん、といっても実の姉ではなくお隣に住むお姉さん。が両手を合わせる。


「すっごいおいしいお店だから! がつがつ食べていいから!」



 というわけで私は人生初めての合コンに参加しています。



 会社の同期男性らに合コンセッティングを頼まれたものの直前に女子が都合で2人もキャンセル、せめてあと1人! とお姉ちゃんは藁にもすがる思いで私に頼み込んできたのだ。


「お酒飲めないの?」

 向かいに座っている男の人が話しかけてきた。

「彼女飲めないんだって。絶対飲ませちゃダメだよ!」

「君に聞いてないんだけど」

 私のすぐ隣で身を乗り出すお姉ちゃんにその人が笑って突っ込む。私はにこにこ笑っておく。ボロが出そうだからなるべく喋らない。



 そんなこんなで2時間経過。そろそろ終わりかな。そっと席を立ってお手洗いに向かうと男性用から向かいの男の人が出てきた。

「沢山食べた?」

「はい」

「だよね。よく食べてたね」

 じゃあ聞かないでほしい。くすくす笑いながら彼が続ける。

「あのさ、連絡先、教えてほしいんだけど」


 え。

 でも。


「私、ケータイもスマホも持ってないです」



 本当です。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ