遠距離恋愛と現地妻
以前書いたツイッターノベル(twnovel)に加筆したものです
新入社員で、OJTを担当した男の子に告白された。
が、自分には遠距離恋愛中の恋人がいるのでお断りした。年上に憧れる時期もあるだろう。ままあることだ。
「連距離ってどこなんすか」
「結構遠い」
「どれくらいしてんすか」
「5……6年かな」
「頻繁に会えるんすか」
「なかなか会えないねえ」
「会いに来ないんすか」
「向こうは難しいと思う」
「会いに行かないんすか」
「会おうと思えばいつでも会いに行けるけど……、いや、それだとダメかな」
曖昧な答え方だが、それでも、
「そんなでも世界一大好きなんだ」
そう言うと、彼は黙った。
*
「オレ現地妻でいいんで! こっちにいる間だけでいいんで! 絶対大事にします!」
彼が深刻な顔をして決意新たに言ってきた。
先日、課の飲み会でしたたかに酔って送られた部屋で、恋人の実家から送られてきたハガキを見てしまったんだろう。
「現地妻て……」
思わず笑ってしまった。現地妻て。(二回目)
何度も何度も、何度も何度も、一生懸命、真摯にぶつかってくるから……、
そのうち、絆されてしまった。
*
「こっちにいる間はすっかり俺が君を独占してしまった。先にあっちにいって彼に謝っとくね」
長く連れ添った夫の、それが最期の言葉だ。
(更新してから気づいたのですが前回とネタ被りでしたね…どんだけ好きなのかっていう話)




