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between you and me(後)

後編です

 

 男は続けた。

「俺、お前のことが好きだった。高校生になってお前がコウと付き合いだしてから自覚した。けどお前らが幸せならそれでよかったんだ。でも、コウはいなくなって、お前は笑わなくなった。後釜に座るような、チャンスだと思うようなことはしたくなかった。ますますお前が遠くなった。そしたら、コウが俺の前に現れたんだ。嘘だと思ってもいい。でもお前のことが好きなのは本当だ。お前にまた笑って欲しい。できれば、俺の側で」


 言うだけ言って男は帰った。「明日東京に戻る」と付け足して。


 私とコウの秘密。


 一番の秘密は、私が男のことが好きだったことだ。

 まだ付き合う前の恋人に絶対絶対秘密と打ち明けた。男に気がないように見えたり、他に彼女を作ったりしている間に優しくしてくれたのは恋人だった。

 彼は言ってたっけ。




「絶対、死んでも言わないよ」と。




 男の言っていることが本当かどうかもわからない。だって結局証拠はないのだから。

 本当はそこにコウはいないのかもしれない。ていうか、普通ナイよね。


 でも、許された気がしたのだ。いなくなった恋人に。もう一度この男を好きになってもいいよと。


 私は溢れる涙を拭った。

 そしてドアを開けて男を追いかけた。




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