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終電に間に合わなかったら

今回は3話あげています。ご注意を。


 通っている大学のある、東京都下でもなかなかの賑わいを見せるこの街の下り終電は0:28。

 今夜は大学の仲間たちと飲んでいた。


 そのうち家の遠い面々から一人二人と帰途につき、残りはこの街の住人である彼と、二駅隣に住む私。

 今日こそは進展があるかも!?

 まあ0時を過ぎて彼がお開きにするかと言った時点で希望は半分打ち砕かれたんだけど。

 いやまだ部屋に誘われるという可能性が……

「終電何分だっけ? 25分? 27分?」

「28分……」

「あと9分か、間に合いそうだな」

「うん……」

 なかった。


 ダメか。帰るか。

 送ってくれた改札で、彼が背中を向けたのを見てからスマホを当てて構内へ入る。


 階段を上がったらちょうど電車が滑り込んできた。


 うんでも別にフラれたわけじゃないし。次回だ次回。


 乗り込んで、扉のそばでホームの方に向き直る。


 ──扉が閉まります。ご注意ください──


 そこで階段を駆け上がり、閉まる直前に乗りこんで来た彼。

「え、なんで……」

「切符買ってて。はー、ギリギリだったー」


 無理なご乗車は大変危険ですのでお止めください、と車内アナウンスが流れ彼はちょっと気まずげな顔をした。

 そして。



「家まで送ってくよ。でももう終電ないから、泊めて」









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