女史と勇者
女史に会議室に呼ばれた。俺、何かやったっけ。
冷や汗をかきつつ女史と向き合う。
「私と結婚してくれない?」
は……?
じっと見ていると女史は顔を赤く染めながら、
「あの、実は私、恥ずかしながら年の差も考えず、あなたのことが好き、なの。でも私今年32だし呑気に交際とかしてる場合じゃないし」
だから結婚、とこちらを窺った。
え、え、え。
「あの……突然すぎて……女史のことは尊敬してますけど、あの……」
しどろもどろの俺に女史は下がり眉で微笑むと立ち上がる。
「わかった。じゃあこの話はなかったことで」
「え、ちょっと待ってくださいよ。いきなり結婚じゃなくても」
「私も時間がないのよ。悠長に付き合ってられないの。ごめんね」
「え、何で俺がフラれた感じになってるんすか?」
話は終わったとばかりに女史は廊下に出た。
女史は確かに怖がられているけど仕事はきちんとこなすしフォローもしてくれる。完璧すぎて隙がないだけだ。だからたまに『よくやったわね』と笑顔を向けられると物凄く嬉しくなって。決して嫌いじゃない。嫌いじゃないむしろ──
「待ってください! けっ結婚します!」
“女史にプロポーズした勇者”
のちに俺に与えられた称号である。何故だ。
今回はここまで!お付き合いいただきありがとうございました
またたまったら更新していきたいと思います(。v_v。)ペコ




