恋と友情
最初は友達の好きな人、ていう認識だったのだ。
友達含め彼とも同じクラスになってそれなりにクラスメイトとして接していて、そしてその秋。
「お前が好きなんだ」
やめてよ────!!
しつこいぐらいに告ってくる彼。断っても、何度も何度も。
もちろん友達に言える筈もなく、言えることと言ったら「とっとと告白しちゃいなよ!」ぐらい。
早く告白して! 何らかの決着をつけて! 今ならまだ二人が付き合っても大丈夫なあたりだから。
「好きだ」
やめてよ。優しくしないでよ。早く。
「好きだ」
かっこいいところ見せないでよ。早く。
「好きだ」
はにかんで笑ったりしないでよ。
今ならまだセーフだから。早くして!
「ほんとに好きなんだ」
今なら…………、ううん、もうダメみたい。
泣きながら友達に打ち明けた。彼のことが好きになってしまったって。
そうしたら、なんと実は友達は既に他の男子と付き合うことになっていたのだ!
────────!!(倒れた)
「ごめんね、あれだけ好き好き言ってて他の人好きになったって言えなくて。言ってくれてよかったのに。好きになるのに順番なんかないんだよ。でも私のこと考えてくれてありがとう」
私は泣きながら走る。ダッシュで、彼の元へ。