ゴールはどこだ
前話からのつづき
「もうやめれ、あんな奴」
大学でも私の恋は有名で「ウザい」「あっちいけ」と扱われても「そこを何とか」「ちょっとお試しでも」と我ながら粘っこい。
友人らは私の酷い扱われ方に立腹し、もうヤメロと言う。
そんなときだった。
ある男子がサークルの飲み会でみんなに発破をかけられて私に告白したのだ。
彼も同じサークルで (もちろん私が追いかけたから)その飲み会にいた。私が彼を好きなのはもれなく知れ渡っていたけれど、全く相手にされてないのも哀しいかな周知の事実だったので、そういう流れになっちゃったんだろう。
その男子と無理やり二人で帰されて、もちろん真剣に「ごめんなさい」した。
明るく一途なのが周りから見てても可愛かったのだ、と彼は言ってくれた。君みたいに振られても振られても追いかける根性はないけど、と苦笑しながら。
そこからだ。
彼がちょっと変わった。
相変わらずつれないけれど、前より接触が増えた気がする。
「やっと付き合うことになったの?」と周りが言えば
「んなわけねーだろ」と一蹴なんだけど。
自惚れだろうか。
でもずっと見てきた。彼の変化は見逃さない。
しかし彼からの決定打はない。
不安そうに揺れる瞳。
ねえ、何が不安なの?
つづく!




