ピンクとおにぎり
そのど(・)ピンクはとにかく目立ってた。
朝の通学・通勤客ひしめく駅のホームで、モノトーンやアースカラーのコートやジャケット溢れる中、いつもどピンクのコート。嫌でも目につくからそのうち顔も覚える。よく見ると可愛い。
彼女の服はいつもピンクだった。春も夏も秋も冬も。
彼女を見つけるのが朝の日課になる。
心の中で呼ぶ、ピンクちゃん。
ピンクちゃん、彼氏いるのかな。
──でもなあ、俺なんて相手にされないよな……
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「あっおにぎり君!」
春になって自分の経路が変わりピンクちゃんを見ることはなくなった。がしかし、思わぬところで再会した。
バイトの口座開設に来た銀行窓口に座っていたのは正にピンクちゃん。てか、おにぎり?
「あっあの、お客様以前A駅使ってましたよね? 詰襟に坊主頭で背も高いし目について、でも童顔だから私“おにぎり君”ってあだ名つけてて……あの、ごめんなさい」
髪、伸びましたね。ふわり笑うピンクちゃん。やっぱ可愛い。
「あの、俺は貴女のことピンクちゃんて呼んでました」
そう言うと彼女は目を瞠って、また笑った。
ピンク好きなんです。
そうでしょうとも。
これも縁だ。俺は年下の、大学生になりたてだけど、でも。
「あのっ……




