まずはお友達から(後)
雨の中、中学生の姪を迎えに車を運転しつつ、頭の中では彼女のことを考えていた。
ケータイもスマホも持ってないという見え見えの断り文句をくらった合コンから1カ月。彼女とはあれきりだ。
同期の(女側の)幹事に訊いても「友達の友達の知り合いの妹さんとかだからよくわからない」。何だそれは。結局彼女について知っているのは名前と3つ年下ということと家事手伝いということだけ。
男側の幹事はやる気満々だったが自分は別にそこまで期待して行ったわけじゃなかった。でも、にこにこと笑う顔や、あどけない柔らかい雰囲気が、すごくよかったのだ。隣の彼女がやたらガードしてたから、偶然鉢合わせたトイレ前で連絡先を訊いたんだが。
「はあ……」
駅のロータリーに車を滑り込ませる。ジャージ姿の姪が気づいて、もう1人ジャージの女の子を連れて車のドアを開けた。
「ありがとうお兄ちゃん、ついでに先輩も送ってくれる?」
「すみません、お世話になりま……」
「……」
ジャージ姿の、その女の子は、確かに合コンで会った彼女だった。
え? 何? え? 先輩?
──中学生? 中学生!? 10コ下!?
後日、彼女と俺は、とりあえず“お友達”になった。
どうするかは、これから考える。
青年×少女スキーですみません
彼らは当分お友達です




