表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/98

完成、親子丼!!

ご飯が炊き上がり、蒸らしも終った処を見計らい、俺は鶏がらスープの具合を確認する。丁寧にアクを掬う事により、上品で澄んだ味わいのスープが出来上がった。余ったスープは他にも使えるため、これも保管してもらおうか。


では、早速作ってしまおうか。今回は親子丼鍋(これが正式名称)が無い為、フライパンを代用する。ここは、食堂だけあり、大きめの茶碗は有るので其れを使わせてもらおう。


フライパンに薄くスープを張り、其処に調味料(醤油・酒・みりん)を混ぜ合わせ火にかける。其処に湯通しした鶏肉と切った玉ねぎを入れ蓋をする。卵は別の容器に割入れておく。

茶碗に出来上がったばかりのご飯をよそい、フライパンの中を確認する。ほどよく鶏肉に火が通ったら、軽くかき混ぜた卵を投入し再度蓋をする。

タイミングはホンの一瞬、卵が半熟になったのを見計らい火から下ろし、熱々のご飯に載せる。最後に三葉を乗せ、親子丼の完成だ。


『どうぞ、お試し下さい。』


お女将さん・ご主人の前に出来たての親子丼を差し出す。芳炊きたてのご飯と、鶏肉・卵・出汁の合わさった親子丼独特の香りに、口内に湧き出す唾液を飲み込む二人。自分でもかなりの出来だと思う。

それを、匙を使い、まずは一口。少し固めに炊いたご飯だが、鶏の旨みが十分に滲みでた出汁を含んだ事により、何とも言えない美味を醸し出す。鶏肉も火が通り過ぎで固くなることもなく、程よい弾力があり、噛めば溢れる肉汁がさらに食欲を刺激する。半熟の卵も、シャキシャキの玉ねぎも、それだけでは少し物足りないかも知れないが、全てが混ざり合わさり一つの芸術品として昇華していく。


「「おかわりっ!!」」


アッと言う間に、親子丼を平らげてしまったばかりでなく、お代りを要求してくる二人を見て満足そうに微笑む料理人。


翌日より、この食堂の看板メニュー(スペシャリティ)が親子丼になったのは言うまでもない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ