農協戦隊 ゴニンジャー
すいませんネタ回です。
料理人さんVSベヒーモスの前に
オッサン三人組がこんなネタをぶっこんできそうだなと、どこからか神様が落としてくれました。
魔王様(仮)出撃から料理人さん割り込みの後に、実は一幕あったようです。
~レッツクッキング(笑)の後からです。
「あいやぁ、少し待たれい‼」(アカツキさん)
「俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜぃ‼」(ササキさん)
「いつまでもグンジさんだけに良いカッコはさせませんよぉ‼」(オオガキさん)
私に背を向けて颯爽と現れたオッサン三人組。なぜか色違いで背中に大きく文字入った同じ形のコスチュームを着込んでいる。
「背中に背負うは“農”の文字。大地耕す、ゴニン・グリィィィィン‼」
「背中に背負うは“建”の文字。建物造るぜ、ゴニン・グレェェェェエェェイ‼」
「背中に背負うは“育”の文字。育てて仕込むぜ、ゴニン・ホワァァァァァァイトッ‼」
アカツキさんを真ん中に、右がササキさん、左がオオガキさんと並び、各々がカッコいいであろうポーズをドヤ顔で決める。あとオオガキさん、白いタイツは色が透けるから、下着の色は気を付けたほうがいいぞ。みぐさいぞ、ピンクのブーメランパンツは。
「ほんとは五人じゃが、今回は特別仕様じゃ・・・せ~の」
「「「農協戦隊・ゴニンジャァァァァァァァァァァァァスリィィィィィィ!!!!」」」(ドゴォォォォォン)
『・・・はい?』
「「「とうっ」」」
周りの皆さん達が唖然としているうちに、あっという間に陸竜の前に躍り出てしまったコスプレオヤジ三人衆。何とか戦隊とか言ってたけど、さらっと聞いただけだが、あと二人いるらしい。マジか(笑)
「いや、三人とも目が本気だ。生きることを諦めた絶望の眼つきじゃない。絶対に生きて帰ろうとする、決意のこもった真の漢の眼だ。」
なんか魔王様(仮)が、血迷った事をぬかしている。なんだ?どっかから元国王様が撮影でもしているのか?
(実際やっています。)
「いくぞ陸竜とやらっ!」
アカツキさんはストレージから取り出した愛用の鍬で陸竜の周囲を〈高速作業〉のスキル最高速で耕していく。所々で小規模の爆発やスパークが上がったりしているものの、あまりにものスピードで、陸竜の認識が追い付いていないようだ。
もちろん、私も〈高速調理〉を起動していない状態だと、アカツキさんが何をやっているのか全く分からない。
アカツキさんが〈高速作業〉を終わらせ、二人のもとに戻った時には、陸竜の周辺は、足元を除けば、周囲20mの範囲が耕されていた。当の陸竜は、直接自分に被害がなかったのでそのままの位置で棒立ち状態だった。
「今度は私の番ですね」
オオガキさんが悠々と陸竜の前まで歩いていく。おそらく〈飼育〉のスキル全開で陸竜を大人しくさせているのだろう。オオガキさんが目の前にいても危害を加える様子がみじんもない。
「では、いきますよぉぉぉぉぉぉ、〈おすわり〉ぃぃぃぃぃぃ‼」
ドゴォォォォォン
陸竜が思わず勢いよく“おすわり”したとたん、轟音とともに地に付いた尻を中心に地面が沈み込み、顔を残して陸竜の体が地面に埋まってしまった。さすがに15mもある巨体が勢いよく地面に沈み込むと、立ち上る砂埃も凄まじく、辺り一帯の視界をふさいでいく。
その砂埃の外側。ササキさんがストレージから出したのは・・・大砲?
いや、確かに大砲だと思うが、形が少しおかしい。なぜなら、それは、腕の形をしていたのだ。肩から始まり、二の腕、肘、前腕部までで、手首から先がない。むしろ前腕部が砲塔になっているみたいだ。
「グンジくん、私達の浪漫兵器が海竜に敗北を喫したあの日から、さらに思考を重ね、試作を重ね、一つの結論を導き出した。」
ササキさんが重厚な鎧を身に着け、前腕部の砲塔に下半身を潜り込ませる。その姿は、まるで手首から先、握った拳のようだ。
「ロケットパンチとは、パンチを打ち出すにあらず‼」
腕にスパークが奔り、ササキさんが高速回転を始める。
「ロケットパンチとは、自分が、自分自身がロケットパンチになることだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
爆音とともに前腕部が爆発。その推進力でササキさんが勢いよく飛び出す。その姿は、まさにロケットパンチそのもの。
「喰らえぃ‼
星をも砕く一撃を‼
ダイナミック・ビッグバン・ローリング・パァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・
カッキィィィィィィィィィィィン(キラリ☆)
陸竜の眉間を狙ったロケットパンチは、寸前で反り立つ大きな牙の真芯に弾かれ、綺麗なアーチを描き、お空に輝くお星さまになりました。
その後穴から抜け出した陸竜に、アカツキさん・オオガキさんが蹂躙されました。
うん、何のために出てきたの?あんた達。
「うむ、素晴らしい闘いだった。」
いや、綺麗に〆ようとしてんじゃねぇよ魔王様(笑)。
以下、料理人さんVS陸竜へ続く。
ダイナミックなプロの皆さまどうもすみません。




