番外編 料理人 竜討伐? 調理完了+おまけ付き
・・・遠くに始まりがあると、教えられて育った。(クロベェに乗り、荒野を進むアカツキさん)
・・・夕日を追う長い旅路は、古い太陽の神殿に沈んでいた。(【神殿】をバックに民族衣装に身を包み、何かを訴え掛ける元国王様)
・・・真っ赤な太陽が沈んだら、アカツキ・ウォーカーの時間だ。(沈む夕日を見ながら、瓶のまま酒を煽るアカツキさん。)
クラン【農協】にて限定販売、熟成型シングル・モルト・ウイスキー。
赤ラベル(アルコール34.5度) 750ml 1500G・黒ラベル(アルコール 36.0度) 750ml 3500G・超濃縮虹ラベル(アルコール96.0度) 350ml 100KGにて数量限定にて販売中。
また、【フードコート】にて、グラス売りもやってます。
CM終了
⑥グンジ
さて、ここまででほぼ準備が終了したので、調理に入ってしまいましょう。ドラゴン・タンシチューは、弱火でコトコト煮ていけば良いので、焦げないようにナナセさんに見て貰えれば良いので、先ずはロースト・ドラゴンから行きましょう。
冷蔵庫から取り出した、下味を付けた肩ロースの塊を200度のオーブンで蒸し焼きに。この際、中心まで火を通すと、ただの焼いた肉になってしまうので、注意が必要だ。折角新鮮な肉を用意しているんだから、外は少しこんがり目、中心部はレアな焼き加減が美味しいロースト肉の焼き方になる。
しかし、ただ天板に乗せて焼くと染み出た肉汁で、肉の下部がパリっと焼けずふやけてしまうので、天板の上に金網を敷き、其の上に肉を乗せる。そうすると染み出た肉汁は天板に溜まり、肉は全方位パリっと焼ける。しかも、溜まった肉汁はグレイビーも作れるので一石二鳥。
粗熱が取れたら、薄く切り落としレタスを敷いた大皿に盛り付けよう。肉は、爬虫類種特有の赤みがかった白い肉で、ローストしたことにより周囲はこげ茶、中心に向かうにしたがい白が強くなってくる綺麗なグラデーションを作っている。獣肉の赤色と違い、野性味よりも上品な風格が漂う一品に仕上がった。
ソースは先程の肉汁を使ったグレイビーと山ワサビを使ったソースを用意した。付け合せで、小麦粉・卵・牛乳で作ったパンのようなヨークシャー・プディングを添えるのが本場イギリス流。
そのままの流れで、次はドラゴンのタタキを始めよう。こちらは、冷蔵庫から出した肩ロースに鉄串をうち、強火の藁火で表面にしっかりと焦げ目を付け氷水に落とする。これも粗熱が取れたら、皿に盛り付けるが、今度は少し厚めに包丁を入れる。
皿に盛り付けたら、薬味としてニンニク・浅葱・茗荷を散らし、ポン酢と醤油で食べて戴こう。焼けた表面は黒っぽいが、中は生で色は白く、そこへ薬味の黄・緑・紺と、彩り良く飾られる。こちらも、鰹や牛のタタキよりも上品な仕上りとなったようだ。
次はドラゴンの唐揚げに入る。下味のついたモモ肉を一度笊にあけ、余分な水分を落とす、一つ一つ丁寧に片栗粉を塗して、160度程度の低温の油で揚げ始める。八分位火が通ったら一度油から上げ、180度ちょっとの高温の油で上げ直す。弱火で中まで火を通し最後に強火で表面をカラっと上げると、食べた際に表面はサクッと中から肉汁がジワっと染み出てくるのだ。
下味がしっかり付いているので、味付けは問題ないが、ドラゴン肉の豊富な肉汁をギュッと閉じ込めたので、胸焼けしかねないので、一応レモンを添えておく。
良い感じにブラッド・ソーセージに火が通ったら、お湯から上げ、半分はしっかり冷まします。もう半分はまんま皿に盛り、粒マスタード・山ワサビ・ケチャップを添えてお出しします。
冷やしたもう半分は、厚めにスライスしフライパンで軽く焼いてからの提供です。まぁ血液特有の匂いが苦手な人用の対策ですね。付け合せは一緒ですがね。
サーロインステーキの焼き加減は、ミディアム一択のみ。レアがよければロースト・ドラゴンやドラゴンのタタキで我慢してください。ロースト・ドラゴンを焼く際に一緒にステーキ肉を出して、室温と同じくらいの温度にしておく。筋切りをしたら、いよいよ焼いていくのだが・・・ココカラが職人技だ。
フライパンは煙が上がるくらい熱しておき、多めの油で満遍なくフライパンに油を馴染ませる。油から煙が上がるくらい熱してきたら、その油は捨てて新しい脂(今度は竜の脂身を使用)を入れ、薄く油を馴染ませる。一度油を捨てるのは中華鍋の手法だが、フライパンの見えないゴミを除去し、肉がフライパンに焦げ付かないように油でコーティングする裏技みたいなものだ。
そのまま高温のフライパンに肉を置き側面・表面の順に焼き目を入れる。次にアカツキさん御謹製のウイスキー・[アカツキ・ウォーカー]を振りいれたら、わざとフランベさせてアルコール分をすっ飛ばしたら蓋をして火を止める。フライパンの余熱と、少ないウイスキーの水分だけで蒸し焼きにするって寸法だ。ウイスキーの香りと肉汁の香りが混ざり合い、馥郁とした芳醇な香りが鼻腔をくすぐり味わいも深くなる。しかもタタキやローストとは違いちゃんと火が通っているので、噛み締める弾力と溢れ出る肉汁が口内で渾然一体となり、さも極上の肉を喰っているって気持ちにもなれる。
付け合せは、ナナセさんに用意して貰った馬鈴薯・人参でOKでしょう。ステーキは、肉の旨みをじっくり味わっていただきたいので、このまま召し上がってもらおうか。
タンシチューは煮上がったら、個人用の土鍋みたいなシチュー皿に、ドラゴンのタン・ナナセさんが用意した馬鈴薯・人参・ブロッコリーを並べ、そこにシチューを注ぎ、蓋をして蒸し器に突っ込んでおく。出す寸前にホイップしただけの生クリームを添えて出すだけにしてある状態だ。煮込んだタンは、独特の食感があるも、箸で切れる位に柔らかく仕上がっており、煮崩れしてない野菜達はタンの旨みだけが染み込んだシチューを絡めて召し上がれ。
最後はカルビ丼だな、これは何も言うまい。少し固めに炊いたほかほかのご飯の上に、タタキと同じ藁火で炙ったタレの染みたカルビ肉。米と肉の組み合わせで、最強と言っても過言ではないだろう。
ご飯・タレ・肉の香り。脂とタレの絡んだご飯を、肉で包んで食べる一体感。これを不味く作るほうが逆に難しいだろう。
ただ、肉・肉・肉と、肉だけでは飽きてしまうだろうから、野菜もしっかりと召し上がれ。私の実家では「野菜は肉の倍食べるべし」との教えがあるので、生野菜・温野菜・野菜炒め、たっぷり用意しましたので、遠慮なさらず頑張って食べて頂戴。
勿論、食後のデザートもちゃんと用意してありますので、期待しておいてください。
さぁ、ドラゴンの調理が完成しました。
力尽きたので、此処で一旦区切りを付けて
また後日、(蛇足になりそうだけど)実食部分をアップいたします。




