番外編 料理人 竜討伐? 調理開始
⑤ナナセ
料理人さん一行が竜討伐から返って来た、お約束の死に戻りではなく竜の肉を携えてだ。コウタロウ一行・シザンケツガさんに慰労の言葉を伝えると何故だか遠いところを見たり、目の光が亡くなったりするのは何故だろうか。
其れはさて置き、料理人さんが帰還される少し前に、最高司祭様率いる運営さん一行が、何時もの如く仮出店用の調理場をTV番組風に改装していった。恐らく王都の方で料理人さんから最高司祭様に、連絡が行ったと思われる。まぁ、今回の番組は間違いなく竜肉の調理になると思うんだけど、番組始まって以来初めての現実では食べられない食材の登場に視聴者さんも間違いなく吃驚するんじゃないかな。
料理人さんは、軽く最高司祭様と軽く打ち合わせをした後、サカキさんの工房で小一時間ほどお話をしていたみたいだ。その後、さっとシャワーを浴び番組用の白衣に着替え番組用の調理場に入っていった。其処で最高司祭様に白衣を渡された。
えっ、私も出演するの?
「いきますよぉ・・・3・2・1・スタート!!」
『グンジ。』
「・・・ナ、ナナセの///」
『「お料理、喰えるものならぁ、喰ってみろ!!超特別版!!!」』
「ハイ、カットォォォォォ」
うわっ、ほんとに始まっちゃいました、喰えるものならぁ喰ってみろ。実は現実世界でも結構観てるっていうか、第一回より全部録画保存してたりします。密かにゲスト出演できないか期待していたんですが、やっと夢が叶いましたよ、やってみたかったんですタイトルコール。
しかも今回は超特別版とか言ってるし、これは超高画質で録画確定ですね、いや寧ろ最高司祭様に掛け合って一番画質の良い物のコピーを戴けないか交渉してみましょう。
さぁ、話を戻しましょう。タイトルコールが終了したら、ゲストの紹介と本日の食材の紹介が始まる。カミカミでしたが、簡単な自己紹介も終わり、今回の食材・竜の肉の紹介を行う。紹介ついでに取り出した肩ロースの部分をひと切れ薄く切り、塩だけで焼いて私に出してくれる。
爬虫類っぽいだけあって肉の色は白っぽいが、少なめだけど脂肪は均等に入り噛むたびにシッカリとした弾力と肉汁が染み渡る。これは高級な肉や魚にも負けない上品な美味しさですね、・・・と、思わず素で応えてしまった。
って事で、今回料理人さんが用意した竜の肉の部所はサーロイン・肩ロース・タン・モモ・バラ・そして血液を用意してました。と言っても竜はとても大きいので今回用意したお肉もホンの一部のようです、余ったお肉は番組終了後にクラン【農協】の皆でどんちゃん騒ぎする為に取り置きして、各種十人分位の量で料理を作るようです。
献立としては
サーロイン ・・・ステーキ
肩ロース ・・・タタキ・ローストドラゴン(?)
タン ・・・タンシチュー
モモ ・・・唐揚げ
バラ(カルビ)・・・カルビ丼
血液 ・・・ブラッドソーセージ
と、以上の様になっています。肩ロースは何故か二種類の料理を作るみたいです、しかしタタキは以前作っているところを見たことが有りますが、このローストドラゴンってなんですか?えっ、ローストビーフのドラゴンバージョンですか・・・うわっ、恥ずかしい///
・・・気を取り直して早速調理に行きましょう。先ずは下拵えからです。各々使うお肉は〈熟成〉のお料理魔法で良い感じに熟成させ、綺麗に形成しておきます。勿論この形成の際にでた屑のお肉も後で使うので、ちゃんと取っておきます。
サーロインは3cm位の厚さに切り、酒を軽く振ってから塩・胡椒を塗していく。このままバットに並べて冷蔵庫で寝かせておきましょう。
肩ロースは、タタキの部分は塩を振って馴染ませるだけ。ローストする部分は、束ねた串でザクザクとメッタ刺しにしてから、その穴に塩・胡椒を突っ込むように擦り付けます。これもある程度味が染み込むよに冷暗所で熟成させるのですが、時間がかかるので〈熟成〉のお料理魔法で熟成させます。
タンは一度、生姜や葱と一緒に下茹でし、灰汁を抜きます。少し大きめのブロックに切り分けたら一度フライパンで全面に焼き色を付け、赤ワインに・トマト・ウスターソース・ローリエ・小麦粉も少量加え弱火でコトコト煮ていきましょう。あっ、付け合せの野菜は馬鈴薯・人参・ブロッコリーを用意してます。
モモは一口大に切り分け、ボールに入れます。下味として、酒・胡椒・塩これに少量の檸檬汁を加え揉み込んで味を染み込ませます。これも少し時間を置いた方が良いので冷蔵庫に入れておきます。
バラ肉は、薄すぎず厚すぎず3mm位にきり、煮切り酒をベースに醤油・味醂・胡麻・豆板醤等で作ったタレを用意するだけです。これは網の上で、タレを付けながら肉を焼く為です。実に美味しそうですね。
最後の血液ですが、一旦ボウルに開けて先程肉の形成時に出たクズ肉を細かく叩いて混ぜ込みます、大体量は1:1って所ですかね。他に臭い消しにクミン・タイム等の香辛料の粉末や塩・胡椒をで味を整え、あらかじめ用意してあった牛の小腸に詰めてきます。
えっ竜の小腸は使わないのかって?・・・私も聞きましたが、竜の小腸は、身体に見合う大きさの為、ソーセージを作るには不向きなんだそうです。で、この腸詰めを適当な大きさに分けたら、熱で膨張して裂けないように90~95℃位の沸騰しない温度のお湯でじっくり茹でます。
なんかココまでで殆んど料理が出来上がった様な感じもしない事ないですが、ここからが本番です。
あっと、ステーキやローストビーフの付け合せや、タタキ用の千切りキャベツ・唐揚げ用のレタスにカルビ丼のご飯などなど、準備しなきゃなんないものが一杯あるよ。
まだまだ番組は続きます、ここで一旦CMです。
やっとドラゴンの調理が開始いたしました。
今回は【フードコート】の女料理人さんことナナセさんをゲストに迎え、ドラゴンの調理を解説して頂きました。
次回は、実食までの予定ですが、さて番外編ですのでダレ視点で物語を動かしましょうか・・・




