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スイーツバイキングという名の 修羅界

お待たせしました。

さて、慰労会から二ヶ月が過ぎた。今日も今日とて通常営業中の【フードコート】で包丁を振るっているが、慰労会以降【フードコート】のランチタイムが月一でスイーツバイキングと化した事だ。

これは、プレイヤー(大半が女性)達からの熱い要望と、街の住人(NPCの皆様)からの依頼で行うことになった。お取り寄せのお高いスイーツを買うよりも、美味しくて際限なく(満腹中枢は一応あるみたいだが)食べられるゲーム世界(無限世界の住人)のスイーツが(ダイエット的な観点で精神的に)良いと血涙を流す勢いで迫り来るプレイヤーの方々と、甘いものに餓えているNPCの方々の訴えが運営に届き、元国王様を通じてクラン【農協】に正式に依頼が入った訳だ。


勿論、甘いもの大好きな私は喜び勇んで引き受けた訳だが、基本酒飲みが多いおっさん衆(アカツキさん達)は難色を示した。何故なら・・・


「甘いものは、酒に合わん。」


・・・イヤイヤ、何言ってんだこいつ等って感じて白い目で見ていたが、割と本気らしい。いや、甘いものも酒も好きな奴は、お萩食いながら日本酒飲むし、チョコを食いながらウイスキーを嗜むぞと(ただし糖尿一直線だがなとの説明は省き)説得したが、その意思は変わらないみたいだ。

いつまでも無理な説得をしてもしょうがないので、説得は早々に諦め折衝案として、大量のケーキ等が焼けるような、超大型の石窯(オーブン)を青空食堂の脇に作って頂いくことにした。これなら、別件で他の料理も出来るので一石が二鳥にも三鳥にもなるって事で、早速パンやピザを焼いく事になったのは別の話。他にも器や菓子用の型を大量に発注をかけたのは、良い思い出だ。


ナナセさんを含めた女性陣を中心に、製菓に興味があるプレイヤーを募集しつつ一回目のスイーツバイキングを【フードコート】庭にある青空食堂で開催した。

営業時間三時間・60分の食べ放題・お替りは潤沢に用意・・・初めての試みなのでかなり大目に用意して(軽く500人分位)いた筈だが、開始一時間半で完売してしまった。来場者数200人、その殆どが女性だった訳だが、細い体のどこに平均二人前半のスイーツが入ったのか不思議だ。うん、女性(甘いものは別腹)って怖いねって事ですね。



さて、何故こんな話を(前フリ)をしたかと言うと、本日がそのスイーツバイキング(第二回)だったりするからだ。

準備は昨日から、〈料理〉のスキルで最高速の100倍速で数々のスイーツを作っていく。第一回のスイーツバイキングで得た教訓を活かし、今回用意するスイーツの量は1000人分と前回の倍だ。更にテーマを絞って今回は卵を使った菓子を中心に作っている。


今回の目玉はプリンだ。しかしタダのプリンではなく、その名も轟くバケツプリンを用意する事にした。市販されているバケツプリンは、通称ケミカルプリンと言い、ゼラチンや寒天で牛乳たっぷり目のプリン液を固めたゼリーの事で、正確にはババロアっぽいものであり、プリン(Pudding)とは言わないみたいなのだ。

って事で、そのケミカルプリンに正面から喧嘩を吹っ掛ける為に〈料理〉と〈料理魔法〉のスキルを駆使して、本物のバケツプリンを作ってしまおうってのが今回のテーマの内の一つのコンセプトになる。まぁ、〈料理魔法〉の中に〈均一化〉という魔法があった為に思いついたりしたってのは内緒なんだがね。


今回は卵を使うとのコンセプトなので、鍛冶師でTKGマイスター(バカ一代)のサカキさんに協力を(強引に)とりつけてある。何故ならバケツプリンの(バケツ)を作って貰う為だ。この為に新しいメニュー(TKG)を開発させられたが、プリン型の為にたった十分でこさえたのは執念とも言える所業だと我ながら思う。

私的に『プリンとは、型から取り出して食べるモノ也』との矜持があるので、総てのプリン型(バケツ)はプッチンが出来る様にしていただいているのだが、ゼラチンを使わないプリンの弾力性はどれくらいかの想像がつかない為に、事前に実験として何度か作ってみたところ何度か失敗はしたが、理想の硬さを出すことに成功した。火の通し方も、熱の通りが全体的に均一化する〈均一化〉の魔法で中央まで均一に熱が通り、プリンを割ったら中から冷たいプリン液が溢れて来る様なトラブルもなく無事に完成に漕ぎ着けた。勿論失敗作は、スタッフ(コウタロウ君たち)が食べたので問題は無かろう。

さて、このバケツプリンを大皿に盛り付け、カラメルをかけ、果物・クリームで飾りつけをすれば、グランテ・プリン・ア・ラ・モードの完成だ。蛇足だが、フランス語っぽく言っているが、プリン・ア・ラ・モードはれっきとした日本の料理だったりする。ソコに“巨大な”と云う意味の“グランテ”を付けただけの和製フランス語なので、余り突っ込まないでいただきたい。


味付けや調理方法を変えたバケツプリンを中心に、他にもカスタードクリームをしこたま使ったシューや、タルトにケーキ等を作りに作りまくり、来たる“魔のスイーツバイキング”へ準備をすすめるのであった。

久しぶりの更新ですが、このクソ暑い中書き上げたのは・・・なんとスイーツバイキング(笑)

一応、続きものですので、近日中に書き上げてアップいたしますのでヨロシクお願いいたします。


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