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元国王様 MK5

元国王様がマジでキレちゃう5秒前

番組の途中ですが、ここからは元国王様(ゲームの中の人)に語っていただきます。


元国王様()が決めた制限時間は30分、その時間内で料理人は三種類各50皿の料理を作成しなければならない状況なのに、調理を開始せずジッと対戦相手(素人集団)の動きを観察している。対戦相手(素人集団)が用意した食材を見て、何を作るのかをイメージしている様だ。しかし、まぁなんだお粗末な素材選びだな・・・逆に料理人が可哀想になってくるような気がしないこともない。


さて、対戦相手(素人集団)の一人である年配の女性(自称料理研究家)が最初に調理に取り掛かったのは・・・パスタ?

んなモン最後にやるもんだろうが・・・あぁ・・・乾麺の太さが1.7mmとかなり太いものをお使いのようだ。それならば納得がいく。水をタップリ入れた寸胴鍋を火にかけ、塩をしこたま入れている・・・それじゃ茹で上がった麺が塩っぱくなるぞ。

湯が沸く迄に、大量の砂糖を突っ込んだ生クリームを中途半端に泡立てて、苺・マンゴー・キウイをカットしていく・・・んだが、大きさが不揃いだし、力を籠めて強引に切っているものだから、かなり潰れているぞ。


続いて、別な調理台で鶏肉を切っていたオッサン(自称料亭調理長)が、切り終えた鶏肉(腿肉・胸肉・ササミがごちゃまぜ)を大きめのボールに移し、青じそのノンオイルドレッシング並々と注いでいく。そこに、これまた大量の小麦粉を投入し掻き混ぜていく。コイツも大丈夫か?しかも、パスタを茹でる寸胴の隣に揚げ物用の油を注いだ鍋を火にかけている。

心情的には解説なんぞかなぐり捨てて逃げ出したい位です。


最後のイケメンのイケメン(自称料理上手)は、サラダをこさえている。こっちはサラダだから大丈夫かとタカを括って見ていたんだが、間違いなくこのイケメン(自称料理上手)も地雷になりうる存在だった。

なぜなら、野菜をちぎり、ライムやオレンジ等を彩りよくサラダボウルに盛り付けた事は褒めよう。しかし、何故野菜を洗わない!!水に浸して活き活きさせない!!しかも開始5分でサラダを盛り付けたのならそのままラップでもしておけ!!オリーブオイルをしこたまかけるな!!他の味付けはしないのか!!そのままだったら食うときに大惨事!!

あぁあぁもう嫌だ!!!!

こいつ等ぶんなぐりてぇぇぇぇぇ!!!!



そしてだ、唐揚げは勿論衣がビチャビチャの為、油がはねてパスタを茹でている鍋の中に入るし、パスタを茹でている寸胴から溢れたお湯が揚げ物鍋に入り、余計に油がはねるしでこいつらの周りは油でテカテカやぁ(´;ω;`)。しかも油の温度はだいぶ高いぞアレ・・・間違いなく見た目良くても中身はレアって感じだな。


揚がった唐揚げは油をたいして切らずに、サニーレタスで飾り付けた皿に盛り付けて終了・・・本気(マジ)でソレだけですか?

最後に、茹で上がったパスタは、そのままホイップクリームの入ったボウルに入れて掻き混ぜた・・・クリームがよく絡んだように見えたら、皿に盛り付け、彩りよく(?)先程切った(潰した様な)フルーツを盛り付けて終了だ。頼むからその湯気が上がっている、生クリームパスタ(ゲテモノ)を私の見える所に置くんじゃぁ無い!!


あぁ、この料理(食材に対する冒涜)を審査する人に、先に黙祷とご冥福をお祈り申し上げます。最高司祭なだけに。



そして、料理人の方の状況を確認しましょう。開始15分位まで対戦相手(素人集団)の料理の工程を観ていた料理人は、ため息混じりに自分の調理場に入っていった。本人曰く最大で100倍速で動けるが、なんかヤル気が一気に失くなったとの事で、目に光が失くなった・・・所謂レイプ目って奴になっていた。うん、その気持ちは判らなくもない。


料理人のいる調理場は、時間の経過が加速しすぎて肉眼では本当に残像も見えないくらいなので、特別に調理場に取り付けてある撮影用カメラで映像を確認しよう。


先ず料理人が手を付けたのが、酒を鍋に入れ火にかける。アルコールが飛んだら火から卸して十分に冷ます、まぁ煮切りってヤツだ。これはそのまま酒を使いたいような場合にアルコールを飛ばし、酒の旨味だけを十二分に使いたい時に使う手法だな。

次に、準備にあたったのは鶏肉。此方は腿肉のみを取り出し、通常一口サイズの大きさよりかなり大きめに切り分けていく。下味は塩・胡椒・檸檬で付けて、味を染み込ませるために、しばらく放置。

次に大量の玉葱をみじん切りに、キャベツを千切りにし、ザルを使い水に晒す。最後にかけるドレッシングになるのだろうか、醤油・炒って擂った胡麻・煮切った酒・みじん切りにした鷹の爪・柑橘の絞り汁を混ぜ合わせて、〈熟成〉の料理魔法をかけたようだ。先程の水に晒した玉ねぎとキャベツは、しっかりと水分を切り別の容器に入れておく。


小麦粉を篩いにかけ、それに卵・砂糖・バター・牛乳を混ぜ合わせ、薄いクレープ生地を焼いていく。これも普通のクレープ生地と違うのは、焼きあがった生地の片面に薄く水飴を塗り、天火で少し焦げるくらいまで焼いている事だ。焼き終わったら粗熱を取り、互が付かないように広げていく。次に寸胴を火にかけパスタを茹でる様だが、料理人が使うパスタの麺は太さが0.9mmの一番細いやつだ。麺を茹で上げたら、氷水でしっかりと〆て、水分が切れたら、湯が沸くまでの間に角が立つまで泡立てたホイップクリームに混ぜ込む、こちらは大分砂糖が控えめの様だ。

パスタがクリームを確りと絡めたら、先程の広げて熱を取ったクレープ生地の上に乗せていく。パスタが丁度二つ折りくらいになるように、更に薄くスライスした果物(年配の女性(自称料理研究家)が使用したものと同じだが、綺麗に包丁で切っている)を重ね、クレープで春巻きように包んだら、バットにまとめて冷凍庫(・・・)に突っ込んだ。


野菜は人参・パプリカ・アスパラ・オクラ・胡瓜等を用意し、人参・アスパラ等火を通さないと硬い野菜は、鶏ササミと一緒に蒸して火を通す。それ等鶏ササミは手でほぐし、野菜をは小さく四角に切っておく。合間を見繕いながらコンソメスープを作り、それにゼラチンを入れ、火から下ろし粗熱を取っておく。

そして、サラダに使用する柑橘は橙を使う様だ。その数50個を頭を三割ほど残して、切り落とし、残った身の方の中身を、総てスプーンで綺麗に掻き出す。中身が無い橙のガラを容器に見立て、切った野菜・ほぐした鶏ササミを均等に割り振ったら、固まる寸前のコンソメスープを容器の六割ほど注いでいく。で、其れはそのままラップを掛けて冷蔵庫で冷やす訳だ。

残った頭もラップをして乾燥しないように保管して、次の作業だ。先程書き出した橙の身を絞って果汁にし、塩・胡椒・砂糖を少しずつ加えて、〈冷却〉の料理魔法を掛けながら泡立て器(ホイッパー)で掻き混ぜていく。かなり冷えて凍ってくる状態でもかき混ぜるのを続けると、かなり目の細かいシャーベット状になる。

あぁ、そういう訳ですか。これは少し感心してしまった。


さて、パスタとサラダの準備が整ったら、いよいよ唐揚げを揚げていく。揚げ物鍋を低温と高温用にふたつ用意し、丁寧に片栗粉を付けた大きめの鶏肉を低温で中までジックリと火を通し、高温でパリッと仕上げる。油をしっかりと落としたら、一口サイズに切って、皿に盛り付ける。下から順に、千切りキャベツ・唐揚げ・みじん切り玉ねぎとなり、最後に合わせ調味料を玉ねぎに染みる位に掛けて完成だ。


続いてのサラダは、冷蔵庫から出した橙を皿に乗せ、橙の果汁で作ったシャーベット状のドレッシングをギリギリまで入れて蓋をして完成。橙は丸く安定性に欠けるので、大量の塩に卵白を混ぜて作った、練塩を土台にし橙を固定する、しかもこの練塩は多めに使っても、積もった雪のように見えなくも無いから実に雅な演出になる。


最後はパスタだが、冷凍庫から出したパスタの春巻きに対し斜めに包丁を入れ、尖ったところを重ね合わせる様に盛り付ける。付け合せにバニラアイスとチョコレートソースで絵を描くように飾り付けし、盛り付け完了となり、三種50皿づつの料理が完成となる。

しかも時間調整をし、制限時間ギリギリに調理を終わらせた。いやぁ~眼福だった。


では、説明をスタッフに戻そう。




双方伴に、時間一杯迄使用して調理を完成させたが、誰が審査をするのかが問題になってくるはずだ。


「しかし、私達(運営スタッフ一同)はこんな事もあろうかと、厳正な審査員を用意しておきました。どうぞぉ!!」


スタッフの呼び声に反応し、【フードコート】から壮年の男性が三人ほど会場(特設調理場)に馳せ参じた。テレビ放送の時にはテロップが流れるのだろうが、簡単に説明すれば・・・


・○○テレビ、放送局局長 (番組出演者の出ているテレビ局のトップ)

・□□料理専門学校 校長 (年配の女性(自称料理研究家)の通っていた料理専門学校の校長)

・××プロダクション 社長(イケメン(自称料理上手)が所属する芸能プロの社長)


以上の三名だ。ここら辺は会社のツテや大人の事情があるだろうから、スルーしておいていただきたいが、彼らはこのゲーム(無限世界の住人)のプレイヤーだったりするのは内緒だ。そのお偉さんでもある彼らが、厳正な判断をしてくださるようです。








結果・・・番組出演者の料理は一口手を付け、余りにもの不味さに吐き出して、皿ごと彼らの顔に叩きつけたとさ(笑)

今回はかなり長くなりましたが、メインとなる料理パートまで一気に書き終わりました。


料理の考察パートを次回にしようかと考えていますが、必要ないかな?


番組の後日談も次回に持ち越しとなります。

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