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人物紹介2〜憧れのあの娘編〜

読んでいただければ幸いです。

 俺の憧れのあの娘と言えば、あの糞野郎にキスされそうになっていた西澤さんだ。さっき夢の中で紗希が名前で読んでいたけど、西澤さんと紗希は昔から仲がいい。小学生の頃は一緒にお風呂に入った話を何度もされだけど、マジ羨ましかったわ。おれも一緒に入りてー、って無理があるか。――バシッ。

「ポン太、あんたなに朝っぱらからニヤニヤしてんのよ、気持ち悪くて蹴りたくなったじゃないの。」

 えっ!なに!?てかもう蹴ってよね!?

 今日も理不尽な一日なりそうだ。あからさまにいたがる僕を見て、なぜか紗希はニヤニヤしている。さてはこいつ、S――ビュン。

「あんたまた失礼なこと考えてたでしよ。次という次は命を覚悟しなさい。」

マジ死ぬかと思った。なんとかかわしたけど、さっきの明らかに目潰しに来てたよね!?普通の女――、危ない危ない。そんなこと考えてたら、ほんとに俺の命なくなるよ。みんなくれぐれも命は大切にね。

 あっ西澤さんだ!それにしてもいいタイミングで来るよね。命があってよかった、これで今日も西澤さんと会話できそうです。神様ありがとう。

「紗希、脇本くんおはよう。」

「お、おはよう、西澤さん」

「おはよう、遥。」

「それにしても二人とも朝から仲いいよね。遠目だとカップルにみえちゃったよ!」

「カ、カ、カ、カップル!?遥、一体なにいってるの!?ど、ど、どこをみたらこ、こいつと私がそ、そんな風に見えるわけ!?」

ってちゃっかり蹴ってんじゃねえよ!?しかも同じ所だし。やべぇこれじゃ学校まで歩いていけないよ!?

 いや待てこれは逆に西澤さんに保健室に連れてってもらって――ボスッ。

 ちなみにここから先のことはまったく覚えてないよ。動けなくなった俺をもう一発紗希が蹴ったとか、保健室に西澤さんと紗希が運んでくれた時の西澤さんの甘い香りとか、そんなことくらいしかね。


 やっと目が冴えてきた。どうやらほんとに保健室まで来たらしい。それにしてもいい臭いだったな、西澤さん…。ん、誰か俺の手を握って、って紗希が泣いてる!?

「ポン太ぁー。ごめんね。私のせいで、ほんとはこんなつもりじゃなくてね、えっーとそのだ…、あっあんたい、いつから起きてたわけ!?」

気のせいだよね。気にしないでおこう。って、おい!?

 バシッン!!――結局ぶたれるのね、俺は。


 次に目がさめたときも紗希が目の前に、って西澤さんじゃん!?

「あれ?西澤さんだけ?」

「そうだよ。紗希なら、うん、えっーとなんでもない。そういうこと言と紗希に怒こられるんだった。それより脇本くん、ちゃんと生きててよかった!」

西澤さんの声聞いてるだけで俺はもう死んでもいいかも。

 んっ?ってことは今保健室には俺と西澤さんの二人だけ!?来たーっ!ついに俺の時代!今日ばかりは紗希の蹴りに感謝するぜ。ヤバいな、この荒い鼻息がばれたら俺は確実に幻滅されちまう…。

 だが、ここは男として西澤さんを――、

「どうしたの脇本くん?鼻息荒いけど…、もしかして足がいたくなってきたの?」

えっ!?今なんとおっしゃいました?せっかくの俺の天国が丸潰れじゃないか…。

「まったくいきがってるんじゃないわよ、脇本。保健室に年頃の男女を二人きりにするとでも思った?そんな高校生活をエンジョイさせるほど、私はやさしくないのよ。それとも、私とエンジョイしてみるか、脇本?」

声の主の小野先生に思わず即答しそうになったが、西澤さんがいる手前そんなことはできないよ、俺だって。しかも、なぜか知らないけど、小野先生って胸が残念だよな。保健室の先生はもっとボンキュッボンじゃなきゃね。

「俺には西澤さんがいるんで、大丈夫ですよ、先生。しかも先生、胸あんまないですし、」

「やだなぁ。脇本くんったら。」

ってかなんで西澤さん照れもしないの!?やっぱり男として見られてないからだよな、ヤバい泣きたい…。

「生意気なんだよ、このガキ!」

小野先生の一撃が足を襲う。えっ!?俺なんかヤバいこと言ったけ!?うわっ、言ってるし。しかも小野先生が一番気にしてる…胸のことを…。

 ボスッ。第二撃ってえげつないな。全治一週間ですめばいいが……。

「先生さっき、折れてるから二週間は安静にしろって言ったじゃないですか!?」

 えっ西澤さん!?このタイミングで言いますか、マジですか!?なぜかさっきまで痛みなかったけど俺の体って意外と頑丈だね。うん、今になっていたくなってきた気がする。ってかヤバい痛い!

「脇本くんたらいきなり暴れだしてどうしたの?」

真顔でそれが聞ける西澤さん、すごいと思います、うん。

「西澤さん、折れてると痛いんだよ。」

この懇切丁寧な説明が西澤さんに伝わることを願おうか。

 えっ!?西澤さんい、今俺の足にパンチした!?おかしいでしょ!?

「ほんとに痛いんだね…。」

あなたは天使なんですか、それとも悪魔なんですか?いつか絶対マジトーンで質問しよう。

「じゃあとりあえず今日は一緒にいてあげるから我慢してね!」

今の語尾にハートマークついてたら、俺はこの足でもマラソン世界新出せたね。マジだよ!?


 こんな感じで俺の恋物語はまだまだ始まる様子もない。

ありがとうございました。

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