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黒猫な俺の異世界生活とおっさんな俺の現代生活が楽しくてたまらない!  作者: TB


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第90話 勇者探しに出発

 俺は深夜の二時過ぎにタクシーで帰宅した。

 結構酔ってたからキュアポーションで酔いは醒ましたぜ。


 鮎川をタクシーから降ろして料金を払うと深夜料金込みで二万七千円程だったから三万円渡して「お釣りは結構です」と言うと、凄い笑顔で「またお願いします」って言って戻って行った。


「鮎川? 着いたぞ」


 と声を掛けると、俺に思いっきり抱き着いてきて、唇を重ねてきたが「ちょっと飲み過ぎだぞ?」って声を掛けて、お姫様抱っこをして、玄関まで連れて行った。


「入らない?」

って聞いて来たが「今はまだ辞めておくよ」と言って、玄関前に降ろして「朝になったら、また来るからな。もうあんまり時間無いからしっかり寝ろよ」そう声を掛けて自宅へ戻った。


 中々手強いな。

 理性と戦うのは大変だぜ。


 家に戻ると、まだ飛鳥も香織も起きていた。


「ただいま。こんな時間まで何やってたんだ?」

「あ、俊樹兄ちゃんおかえりーこんな時間に帰るとか、タクシー?」


「ああ、そうだ」

「博多から小倉って一体いくらかかるの? 怖くて乗れないよ」


「思ったより安かったぞ。二万七千円くらいだった。夜間料金だから昼なら2万3千円もしないんじゃ無いか?」

「そうなんだね。ラジオネタで使えそうだからメモっとくね」


「昨日の買い物ネタも絶対普通の人じゃ中々味わえない。非日常ネタだから、全部番組の中で、私だって解らない感じで、使える様に文章考えてたら、あっという間にこんな時間だよ」

「パパ、私も動画投稿サイト様に、色々編集してて香織姉ちゃんに習いながらやってたら、あっという間にこの時間だったって感じだよ」


「そうなんだ。明日は昼から向こうへ行くからよろしく頼むな。ちょっと色々協力して貰いたい事が出来たんだ」

「そうなんだ、当てにされるってなんだか超嬉しいよ」


「もう遅いから早めに寝ろよ?」

「うん、一応ね初回分の動画投稿してみたんだ。全然無名だからまだアクセスは少ない感じだけど、時間を追うごとに増えてるから、これからが楽しみだよ」


「そっか。俺にもアドレス教えてくれ。後で見てみる」

「うんラインで送っとくね」


 俺はシャワーを浴びた後でベッドに入り、タブレット端末からアスカの動画投稿を眺めてみた。


 何て言うか……凄い迫力だった。

 鳩だからドローンを飛ばすよりも全然スピードもあるし、街中をすり抜けるような動画も合って下手なフル3Dの有名ゲームのプロモ画像よりもワクワクする。


「異世界だろ?」って言う感じは満載だけど、存在しない事が当たり前の世界だから合成乙で終わればいいけどな?


 翌朝、香織も飛鳥も流石に寝坊してた。

 俺はシャワーを浴びて、倉庫の支払いに銀行に行く事を、まだパジャマ姿の香織に伝えてレンジローバーで出かけた。


 まだ九時前だが家の前から鮎川に電話して『おはよう。二日酔いは大丈夫か?』と言うと『うん大丈夫だよ。昨日はゴメンネ』って謝られた。


 しっかりと記憶はあったようだ。


『まぁ気にするな。今から出れるか? 朝食まだだから付き合えよ』

『うん』


 俺がレンジローバーで、鮎川の家に到着すると「昨日買ったのこの車なの? 凄い迫力あるね」と言われた。

「ああ、いい車だろ? まぁ乗れよ」と言って鮎川を助手席に乗せ、近所のファミレスでモーニングセットを頼んだ。


 鮎川がファミレスから銀行に電話を掛けて、今から一億五千万の現金取引をするから個室を用意して貰ってその場で計算と口座への入金を頼む旨を伝え、再び車に乗り銀行へと向かった。


 銀行へ到着すると支店長自らが、女子行員一人とお札のカウンターを準備して、個室での現金の受け渡しを完了させてくれた。


 俺は一億円入りのアタッシュケースを二個持って行っていたので五千万円残ったから、ついでにその銀行で口座を作り残金を預金しておいた。


「奥田君ありがとう。これで鮎川不動産は当面安泰だわ。積極的に商売はしないけど奥田君が取得したい物件なんかが有れば仲介はするわよ」

「そうか、助かる。これからもよろしくな。レンタカーショップの方は、主にうちの香織と赤城先生で進めて貰うから出来るだけ協力してくれよな」


「うん。解ったよ。荷物の受け取りはどうしたらいいの?」

「必ず事前に、連絡入れるようにさせるから、その時に倉庫を開けておいてくれたらそれで十分だ。後は受け取りのサインくらいかな?」


「検品とかしなくていいの?」

「まぁ余裕があれば、してくれたら助かるけど」


「解ったよ。今日はこれからどうするの?」

「ちょっと二、三日は出張の予定だな。帰って来たらまた連絡するよ」


「そっか。頑張ってね。そう言えば奥田君が書いてる小説ってどんなの?」

「お? 読んでみるか? サイト教えるぞ」


 俺は投稿サイトを鮎川のスマホで開き、俺の小説をブクマしてやった。


「気が向いた時に読んでみてくれ」

「うん。解ったよ」


 鮎川を再び送り届けて俺も家に戻った。


「そろそろ、出かける準備はOKか?」


 香織と飛鳥に声を掛けると、二人共元気よく返事をしたので三人で土蔵から地下室へと向かった。


「おう、俊樹戻ったか。今回は三日も間が空いたんじゃな」

「爺ちゃん久しぶり。色々忙しかったからな」


「身代わりのお守りを俊樹と香織のも作って置いたぞ」

「ありがとう爺ちゃん。助かるよ」


「今回は向こうでの予定はあるのか?」

「ああ、結構大変な事に巻き込まれちゃったみたいだ。爺ちゃんの助けが必要な事態になるかも知れない」


「ほう、どんな事だ?」

「お? ちょっとシリアス入ったな爺ちゃん」


「ああ、偶にはな」

「他の分岐した世界の連中が、この世界に俺を訊ねて来た。テネブルの世界へと召喚された新しい勇者が、その世界の重要人物だったみたいでな」


「成程な。それは竜馬の痕跡で辿って来たと言ったか?」

「なんだ、爺ちゃん知ってるのか?」


「わしは賢者だからな。その辺りの事は結構調べてる」

「そうか、それなら話は早いが、その召喚された勇者たちをここから送り返す事は出来るのか?」


「まぁ、出来ると言えば出来るが、信用できる連中なのか?」

「解らないが俺が信用できると思えば連れてくるかもしれないから、その時はよろしく頼むな」


「解った。わしですら想像がつかない情況になったかもしれんな」

「後、竜馬さんに会う事は可能か?」


「うむ、現在の当主に憑依した姿であれば可能だ」

「それも頼む事が有るかも知れない」


「解った。その時は言ってくれればいい。基本は俊樹の判断に任せるから好きなようにやって来い」

「ありがとう爺ちゃん」


 そして俺達はテネブルの世界に渡って行った。

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