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黒猫な俺の異世界生活とおっさんな俺の現代生活が楽しくてたまらない!  作者: TB


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第78話 錬金工房

「おはようテネブル、今日は何か用事はあるのかな?」

「おはようマリア。サンチェスさんの所に行きたいんだけど一緒に行って貰ってもいいかな?」


「うん、孤児院で朝ごはん食べた後なら大丈夫だよ。もうビューティーサロンのお店も出来上がったから、バルバロッサから来たお姉さん達とシスターが女の子を連れて、お店の開店準備に行くから一緒に出掛けようよ。リュミエルもお姉さん達のお化粧の指導に付き合って貰ってもいいかな?」

「うん、是非行きたいよ」


「シエルはみんなの様子を撮影してね」

「了解だよ。でも、私も少しは戦える様になりたいな」


「後でさ、武器を使って狩やってみようか? この辺りの弱い敵なら余裕だと思うし、武器の性能は結構高いからな」

「うん、行きたい!」


 ◇◆◇◆ 


 俺達は孤児院で朝ご飯を食べた後に、みんなで商業ギルドの横に出来上がったビューティーサロンへと向かった。


 正面に鏡をはめ込んだ少し豪勢な作りの椅子が六脚並び、その後ろにはシャンプー用のリクライニングシートが三脚並んでいる。


 シャンプーは主に孤児院の女の子達の担当だ。

 このお店では既存の商売を邪魔しない様に髪の毛のカットはしないんだって。

 あくまでも、お化粧とシャンプーのサービスだけを行うお店になるそうだ。


 購入をすると、この世界の感覚では一般市民にとても手の出ないお化粧やシャンプーも、ここでのサービスを受ける分には、ちょっとの贅沢程度で手が届くから、特別な日に綺麗になりたい女性の要望に応えるには、十分な需要がある筈だ。


 サンチェスさんの指示で街中では宣伝用のビラも配られて、いよいよ明日に控えたオープンを待つばかりになっていた。


「テネブルはサンチェスさんに何の用事だったの?」

「うん。薬草を使ったポーション作成をチュールちゃんと一緒に勉強したいから、その為の道具を譲って欲しくてね」


「あーそうだったんだね。解ったよ。じゃぁ行こうか」

「リュミエルとシエルはお化粧の指導と撮影を頼むね」


「はーい。了解です」


 隣の商業ギルドへと移動して、サンチェスさんに面会を求めると、すぐに部屋に案内された。


「マリア、テネブル久しぶりじゃな。よく来た。王都でのテネブルの商品の人気は凄かったな。毎月一度は王都に荷を持って行きたいが、物が物だけに往復二週間をかけての移動に毎回テネブルやマリアを連れ出す事も行かんじゃろうし、頭が痛い所じゃ」

「えーと、テネブルがアルザス先生から何も聞いていませんか?」って言ってますけど。


「いや、まだ何も聞いておらんぞ?」

「じゃぁここでの用事が済んだら、後で一緒にアルザス先生の所に行きましょうって言ってます」


 俺は薬草の調合用の道具一式と、アダマンタイトとヒヒイロカネの入手を、サンチェスさんに頼み、商品はサンチェスさんのお店にあるそうなので、マリアと一緒にお店に向かった。


「これがヒヒイロカネでこっちがアダマンタイトじゃ。装備品の素材としてはこの世に存在するもの中で最高品質の金属となる、希少価値も高く値段もそれ相応に高いが構わぬか?」

「はい、構いません。お値段はいくらでしょか?」


「ここに在庫が有るのは、どちらも百グラムのインゴットが三本ずつしか無いが、アダマンタイトは一グラム辺りの値段が四十万ゴールド。ヒヒイロカネは七十万ゴールドじゃから、両方の値段では三億三千万ゴールドじゃな」

「はいそれで構いません」


 マリアが冒険者カードから引き落としで支払いを済ませると、俺はインベントリに素材を仕舞い込んだ。


「調合用の設備じゃが、テネブルが本格的に調合を行うなら、錬金釜などの施設が必要となる。ポーション作成を長年続けていた錬金術士が引退して空き家になっている物件があるが、そこならすべての設備も整っておるし、どうじゃ? その物件を買わぬか?」

「えーと、お値段はいくらくらいするんでしょうか?」


「機材も全て居ぬきで引き渡しをする条件で五千万ゴールドほどじゃな」


 俺は結構高いと思ったけど、サンチェスさんが勧めて来る物件だし、悪い物件では無いはずだと思って即決で買う事にした。

 順序は逆だが、その場で支払いを済ませ書類も書き換えてもらってから、サンチェスさんとマリアの三人で現地を見に行く事にした。


 当然俺は猫だからマリアの名義だけどな!


「あ、折角だからチュールちゃんも連れて行こう」とマリアに伝えて、隣でシャンプーの指導をしていたチュールちゃんとシエルを連れて錬金工房へ向かう事にした。


 シエルは俺の頭に止まって、街並みを撮影しながら移動している。

 こういう目線の撮影はマリアには出来ないから、中々良い画面が撮れるんじゃないかな?


「ここじゃ、テネブル。中々いい所じゃろ」


 サンチェスさんに声を掛けられた場所にあった建物は、錬金工房と言うよりはちょっとしたお屋敷だった。

 しかも立地がアルザス先生がファンダリアに用意した家の隣で広い庭もある。

 建物は二階建てで一階は錬金工房としての施設が整っていて、二階は結構立派な住居になっていた。

 勿論お風呂やトイレもあり、普通に考えたら五千万ゴールドでは決して手に入りそうにないほどに立派な物件だった。


「凄いねテネブル。ここなら十分だよね。チュールちゃんもここに住むようにしたらいいよ」

「あ、あの、こんなお屋敷に一人でなんか無理です」


 そう言いながらチュールちゃんの折れ耳はピコピコ動いているので、きっと嬉しいんだろう。


「大丈夫だよ。私もここに一緒に住むから」

「それなら安心です」


「孤児院まで歩いても十分くらいだし、アルザス先生も隣だから相談にも乗って貰えそうだよね」

「チュールちゃんはイルマール様の所で見たポーション作成は覚えているかい?」


「は、はい。大丈夫だと思います」

「凄いな。俺一緒に見てたけど全然自信ないぞ」


「じゃぁマリアはチュールちゃんと一緒にこのお屋敷への引っ越しを準備したらいいよ。荷物はシエルを一緒に行かせるから、インベントリで運んでもらったらいいよ」

「うん解った。テネブルはどうするの?」


「俺はサンチェスさんと一緒にアルザス先生の所に行ってくるよ。アルザス先生は俺と話せるようになってるし」


 それを、サンチェスさんに伝えて貰うとサンチェスさんが、俺とアルザス先生が会話を出来る事をメチャ羨ましがってた。

 まぁアルザス先生は賢者の弟子だからって事で納得して貰ったけど。


 マリア達が家に戻って行って、俺はサンチェスさんと二人で隣のアルザス先生の所に行くとアルザス先生は随分ラフな格好でくつろいでいた。


「お、サンチェスとテネブルか。二人だけという事は転移門の確認にでも来たのか?」

「うん。でもアルザス先生はサンチェスさんにも伝えて無かったんだね?」


「ああ。一応テネブルに確認を取らんことには他の者にこの門の存在を伝える事などできんよ」

「サンチェスさんは大丈夫だから、隠し事は無しにして置いてね」


「という事じゃ、サンチェス解ったか?」

「アルザス、わしにはお前の言葉しか解らんぞ、テネブルが喋ってるのは全部『ニャアニャア』としか聞こえんわい」


「しょうがないのう、転移門をこの部屋と王都のわしの屋敷の部屋で繋げておるから、王都には一瞬で行けるという話じゃよ」

「何と……それは本当なのか?」


「信用できんなら一緒に行くか? この格好で行くとわしの家の物がやかましいから、着替えるまで少し待っておれ」


 俺はアルザス先生が着替えている間に、以前王都のお披露目会の時に撮影した写真をプリントアウトしてラミネート加工した物をインベントリから出して、サンチェスさんに渡して置いた。


 会話は出来ないけど、サンチェスさんは品物を見て頷いていた。


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