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黒猫な俺の異世界生活とおっさんな俺の現代生活が楽しくてたまらない!  作者: TB


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第28話 閑話 香織の呟き

「純二伯父さんさようなら……」


 私の母の兄である、奥田純二さんが亡くなった。

 肺癌だったそうだ。


 結構なヘビースモーカーで、私の母もよく言っていた。


「兄ちゃん、父さんも爺ちゃんもみーんな肺癌で、若いうちに亡くなったっちゃけんが、兄ちゃんも癌になり易い体質なのは間違い無かばい。うちは他に親戚もおらんきに、兄ちゃんが早う死んだら寂しかけんが、タバコやめりぃ」

「由美、俺はもう爺ちゃんや父さんよりは、長う生きとる。好きな事を我慢しながらただ生きていく人生に何の価値がある? もう俊樹も成人しちょるんだし、孫も抱けた。俺は好きな事をして後悔のない死に方をしたいさ」


 結局、六十五歳と言う現代日本人としては随分早い旅立ちだった。

 

 母さんは言ってた。


「結局逝っちゃったね、バカ兄貴。でもね癌が見つかってすぐに、完全に治るのか治らないのかを確認して、治らないのなら中途半端な治療は一切断る。痛み止めだけで自然に死なせてくれ」ってお医者さんに言ったらしいよ。


「俊樹兄ちゃんも言ってた。もう駄目って解ってたのに最後まで連絡はしなかったんだって。でも喧嘩してたとかじゃ無くて、最後まで息子の前では強い父のままで居たかったんじゃないかなって言ってたよ」


「それで本人が満足なら別にいいけどね。そう言えば俊樹はどげんするとね?」

「うん、こっちに帰って来るって言ってた。向こうではそんなに大した仕事じゃ無いから、後の人生はこっちでのんびり過ごすとか言ってたよ」


「そう、親子なんだね。欲が無いって言うか覇気が無いって言うか、俊樹も離婚してもう五年くらいになるっちゃろ? 子供さんは女の子だったよね? もう高校生くらいだよね」

「うん高校二年生って言ってたよ。ほら元の奥さんの晃子さんが、売れっ子作家さんだから、なんか連絡とりにくいらしいよ。自分より稼いでる元嫁には」


「ああ、そうだろうねぇ。でも生活に困らないんなら、まぁ良かったよ」

「私も久しぶりに俊樹兄ちゃんに会ったけど、兄ちゃんって一回りも離れてる割には若いよね?」


「あら気になったのかい? あんたもいい歳になってるんだから、この際俊樹に貰ってもらえばいいじゃないの?」

「ここまで我慢して来たんだからもう少し夢のある結婚生活が良いかな?」


「三十を過ぎるとどんどん条件は下がって行くわよ?」

「まぁ俊樹兄ちゃんなら、気疲れすることは無いかもね? 選択肢としては考えてみるよ」


「それならあんたも知り合いだけは多いでしょ? 俊樹のこっちでやる仕事を何か紹介して上げれんね?」

「どうなんだろ? 私の紹介とかだと、男のプライドがとか言わないかな?」


「どうかな? 兄貴ならそんな事は気にしない人だったと思うけどね?」


 ◇◆◇◆ 


 それから二週間ほどして、俊樹兄ちゃんは小倉での生活を始めたようだった。

 食事にも連れて行ってくれる。


 二回誘われて、二回ともこの小倉の街では超高級ともいえる場所を私は予約した。

 普通なら、サラリーマン感覚の人が行くようなお店ではない。


 二回目の食事の時だった。


「化粧品を買うからアドバイスしてくれ」って言われたけど……

「俊樹兄ちゃん。化粧品なんてどうするの? まさか目覚めた?」


「ちょっとな知り合いの外国の人が居てそこでは文化水準が低くて日本で出回ってる様な化粧品は無いそうなんだ。比較的裕福な人は多いみたいだから、商売になるかも知れないと思ってな」

「へぇそうなんだ。でもさ現代社会なんだからネットで世界中からお取り寄せできるじゃん? ネットも無い国なの?」


 その質問に答えが返ってくることも無く、デパートに付いちゃたから、なんとなく同じ事をもう一度聞くのもしつこいかな? って思ってそのまま聞かずに置いた。


 でもタクシー料金を払う時も「お釣りは結構です」とか行動がイケメンじゃない?

 って思ったよ。

 その日の最後には、バイトを頼まれた。

 月五十万円で俊樹兄ちゃんのサポートするだけって言う仕事。


 何その好条件?

 愛人契約なの? ってまじで思った。


 まぁ相手が俊樹兄ちゃんだし、思ったままに聞いて見たけどね。

 でも、それは求めて無いって言いきられて、逆にちょっと私って魅力足らないのか? って思っちゃったよ。


 でも翌々日には博多へ泊りがけでショッピングを誘われたし、まぁいっか?


 そして、二人で博多へお出かけして、俊樹兄ちゃんはお金を気にすることも無くショッピングをしてる。

 でもちょっとおかしくない?


 洋服やカメラ、眼鏡とか結構買ったよね?

 なんで?

 そう……俊樹兄ちゃんは、買い物した荷物を何一つ持ってなかった。

 それどころか、そう言えば支払いをする時に財布を使ってる様子も無い。


 これって……あれな感じな人?


 私は仕事が週一のラジオ収録だけだから、打ち合わせを含めても週二回しか仕事が無くて、結構時間は沢山ある。

 出掛けてもお金を使うだけなので、家で読書をする時間も結構長い。

 読書と言っても、一々買ってたらお金かかるし、最近はもっぱらネット小説を読む。


 勿論メディアに生きる人間だから、話題になってる本なんかはちゃんと紙媒体で読んでるよ?


 そして、ネットの無料投稿小説サイトでも基本人気作品に目を通す。

 大手サイトでは人気作品と言えば、殆どがファンタジーと呼ばれるジャンルだ。

 魔法が使えたり様々なチートを扱うヒーローが活躍するような話が圧倒的に多い。

 女性受けがいいのは転生して貴族令嬢になる話が主流かな?

 でもそんな話によく登場する、チートアイテム人気NO1ともいえる、アイテムボックス持ち?


 恐らく間違いない。

 だとすれば、最近の俊樹兄ちゃんを見ていて感じた違和感は、すべて納得がいく。


 聞いて見たよ。

 隠しもされなかった。


 しかも私達の高祖父に当たる人が関係してるらしい。

 

 そして最近ちょっと気にいってブクマして置いた、異世界物の小説「黒猫テネブルの異世界日記、今日もフワフワおっぱいに挟まれて」


 作者と主人公の名前が同じだとか、変わってるよね? と思ってブクマしたんだけど、結構私的にツボって感想も書いたりしてた。


 その作者が俊樹兄ちゃんで、ほぼ実話だとか言い出した。

 びっくりしたよ!


 そして私自身も異世界を体験する事になった。

 でも、真っ白なパグって何よ?


 明らかに愛玩犬で、俊樹兄ちゃんみたいに素早く敵倒すのとか無理そうだよ。

 でも……一狩りした後に俊樹兄ちゃんに鑑定して貰ったら魔法覚えてたよ!

 そんなこんなで初めての異世界体験はとっても満足のいくものだった。


 私のお化粧の知識とかも役に立ちそうだし、もっと色々提案できそうだよね。

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