母の魔法は私の結界をいともたやすく無効化する。
お仕事お疲れ様です。
ダイエット頑張ってる人いますかね。
実家に帰ると、まず迎えてくれるのは母の笑顔。そして、台所から漂ってくる、あの懐かしいカレーの香りだった。
「おかえり。もうすぐできるから、座ってなさい」
そう言って、母は大きな鍋の蓋を開ける。湯気とともに立ち昇る、濃厚なスパイスの香りは、わたしが知っているどのカレーとも違う、特別な匂いだった。それは、幼い頃に熱を出したわたしに母が作ってくれた、あたたかい思い出の香り。夜遅くまで勉強していたわたしのために、そっとテーブルに置かれていた、愛情という名の魔法の香り。
「おかわり、どうする?」
母の優しい言葉が、わたしの心に張り巡らせた「ダイエット」という結界を、いともたやすく崩壊させる。空になった皿を見つめながら、看護師として食事の管理がいかに大切か、頭ではわかっている。だが、母のカレーライスを前にしては、そんな理性はかき消されてしまう。「ダイエット」という言葉は、何の力も持たない、無力な呪文に過ぎないのだ。
わたしは迷うことなく答えた。
「おかわり、ください」
母のカレーライスは、わたしの理屈も、決意も、すべてを無効化する、強力な魔法なのだ。
読んでくれてありがとうございます
少しでいいよと言って結局3杯食べちゃうんです。
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