ゆめうつつ
ふわふわ。ゆらゆら。
明るくて暗い、温かくて冷たい、心地よくてくすぐったい。そんな場所に、いる。
何かを考えるたびに、その考えが、ふわふわ、ほどけていく。あいまいな欠片だけが、ゆらゆら、ただよっている。
夜は、だいすきだ。
きらいな学校も、うるさい大人も、さわぐ子ども(わたしもまだまだ子どもだけど)も、ベッドの中には、いない。わたしだけの空間。
朝は、きらいだ。
すきな時間が、おわってしまうから。
お日さまは眩しすぎる。月あかり星あかりくらいがちょうどいいのに。街の喧騒はうるさすぎる。小鳥のさえずりと風と水の音くらいがちょうどいいのに。
ずっと。夜が続けばいいのに。
いつも、そう願う。
けれど、その願いを、かみさまは聞いてくれない。
だから。
その日の夜を。わたしは大切にしてる。
そして、こんな思考も…
ゆめのなかで、ほどけていく。
ゆめのなかで、ただよっている。
ふわふわ。ゆらゆら。
ずっとここで、たゆたっていたい。ずっとここで、まどろんでいたい。