《神・凡人・鬼 》●現実の短編小説
どの業界も競争が激しい。
《神・凡人・鬼 》
ある酒場で、一人の神、一人の凡人、鬼が酒を飲みながら話をしていた。
「人間は一日八時間も働かなければいけないなんて、クソキツイな……」
凡人は言いながらどんどん腹を立てきた。「残業しても給料が出ないんだよ!」
「鬼の世界だって、競争も激しくなってきたんだよ。」
「KPI、KPIってさ!一ヶ月に二十何人もの人間の魂を捕まえなきゃいけねぇんだよ!」
凡人と鬼はそれぞれ自分の境遇を訴え、誰が一番不幸なのかを言い争っていた。
「時々、神に本当に羨ましいな。まさに神のように幸せなんだ。」
凡人と鬼は同時に神を見た。
しかし、神様の顔には疲れの色が浮かんでいた。
「最近は寺に参拝する人が激減して、わしも腹ペコなんだ……」