表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30

2.タイヤサッカー超獣杯[カードつき]

パンダですので。

 スタジアムを満たすのは、熱狂と歓声。そして、選手たちの夢と挫折に、友情と恩讐(おんしゅう)

 それらが、五目(ごもく)ごはんのように、球場という炊飯器のなかでひとつの料理を()きあげる。ここには、モニター観戦とはひと味ちがう、臨場感のスパイスが効いていた。

 ボールのかわりに、ゴム製の黒い輪を蹴る、タイヤサッカー超獣杯。

 その準決勝第2試合に、観客たちは舌鼓(したつづみ)を打ち鳴らしていたのである。


 長い耳で、翼のように風を切り裂き。右サイドラインすれすれを、ドリブルでウサギが駆けあがる。敵ディフェンダーが群がるより早く、最速のウサギ = マースデンが、ゴール前にクロスを(はな)てば——そこに飛びこむ白い影!

 だが、しかし。

 白きパンダ = アントニオの強烈なヘディングシュートは、相手キーパーにきっちりと抑えられ。こぼれ球を押しこもうと、左サイドから詰めていたネズミ = ムーディは、疲労感まじりの悔しさを(にじ)ませた。

 0対0でむかえた延長戦も、後半がのこりわずか。

 リーグ最強の3(スリー)トップを誇る、日輪ホイールズさえ。今大会、まだ無失点の、鉄壁キャッスルズのゴールを揺らすことはできずにいたのである。


「まだだっ!

 ぶち(やぶ)るまで、何度でも突きかかるぞっ!!」

 アントニオの雄叫(おたけ)びに、チームメイトたちがふたたび(ふる)い立つ。

 成長した彼の顔は、仔熊のあどけなさを残しつつも。くっきりと浮かんだパンダ模様が、そこに精悍(せいかん)さを()き加えていた。

 (いく)つもの闇を目にし、聞きかじり、嗅ぎわけてきたのであろう。黒塗りの(くま)どりと耳鼻(じび)は、(かげ)の差さない光など存在しないことの、(あかし)のようであった。


 それでも、けっして。

 闇に手を染めず、足を踏み入れず、心を許さなかった彼の腕脚(てあし)や胸は。今なお、幼いころと同じく、(かげ)りのない純白を(たも)ちつづけていることを、覚えておいてほしい。



挿絵(By みてみん)



【おまけカード】

コピペして「★」を削除するとお待ち帰りいただけます

PWLT-3(CHA)

<i851664★|39571>

PWLT-4(CHA)

<i851665★|39571>

PWLT-5(CHA)

<i851666★|39571>

PWLT-6(CHA)

<i851667★|39571>

↓カード裏

<i833880★|39571>

 パンダはタイヤで遊びます♡

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  バトルものかと思いきや!  まさかのタイヤサッカーなのですね。  叫んだアントニオが凛々しいです。 [気になる点]  タイヤの大きさが気になります。
[良い点]  五目ごはん。なんとなく歌川先生らしい表現ですよね。  言われてみれば、アントニオは普通のパンダと違って手足が白い!  道理でグローブとブーツを取るとはだかんぼ感があったのだと今更気付…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ