2.タイヤサッカー超獣杯[カードつき]
パンダですので。
スタジアムを満たすのは、熱狂と歓声。そして、選手たちの夢と挫折に、友情と恩讐。
それらが、五目ごはんのように、球場という炊飯器のなかでひとつの料理を炊きあげる。ここには、モニター観戦とはひと味ちがう、臨場感のスパイスが効いていた。
ボールのかわりに、ゴム製の黒い輪を蹴る、タイヤサッカー超獣杯。
その準決勝第2試合に、観客たちは舌鼓を打ち鳴らしていたのである。
長い耳で、翼のように風を切り裂き。右サイドラインすれすれを、ドリブルでウサギが駆けあがる。敵ディフェンダーが群がるより早く、最速のウサギ = マースデンが、ゴール前にクロスを放てば——そこに飛びこむ白い影!
だが、しかし。
白きパンダ = アントニオの強烈なヘディングシュートは、相手キーパーにきっちりと抑えられ。こぼれ球を押しこもうと、左サイドから詰めていたネズミ = ムーディは、疲労感まじりの悔しさを滲ませた。
0対0でむかえた延長戦も、後半がのこりわずか。
リーグ最強の3トップを誇る、日輪ホイールズさえ。今大会、まだ無失点の、鉄壁キャッスルズのゴールを揺らすことはできずにいたのである。
「まだだっ!
ぶち破るまで、何度でも突きかかるぞっ!!」
アントニオの雄叫びに、チームメイトたちがふたたび奮い立つ。
成長した彼の顔は、仔熊のあどけなさを残しつつも。くっきりと浮かんだパンダ模様が、そこに精悍さを描き加えていた。
幾つもの闇を目にし、聞きかじり、嗅ぎわけてきたのであろう。黒塗りの隈どりと耳鼻は、陰の差さない光など存在しないことの、証のようであった。
それでも、けっして。
闇に手を染めず、足を踏み入れず、心を許さなかった彼の腕脚や胸は。今なお、幼いころと同じく、翳りのない純白を保ちつづけていることを、覚えておいてほしい。
【おまけカード】
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PWLT-3(CHA)
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PWLT-4(CHA)
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PWLT-5(CHA)
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PWLT-6(CHA)
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↓カード裏
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パンダはタイヤで遊びます♡