結.アントニオ・パンダラス
第1話、ご愛読ありがとうございました。
この物語も語らねばならないことが、のこりわずかになったが。忘れずに語り尽くして置かねばならないことが、まだ幾つかある。
まずは、クロップスの助手であったハートネット少年の安否。
博士たちはあれからすぐに連絡をとろうと試みたが、少年はすでに住居を引き払って、ゆくえをくらませたあとだった。
どうやら、まだクロップスが監禁されているうちのはなしらしく、邪悪な民俗舞踊のしわざではないようなのだが。
じつのところ。
ハートネットは、やつらとはまたべつの組織と接触していたのだけれど——博士たちがそれを知るはずもなし。
そして、この物語がまるで、満ちきるよりはやく、欠けはじめる月のような。そんなおわりかたをしてしまうのを、詫びておきたい。
アントニオに仕組まれたふたつの運命のうち、復讐のカードはめくられたが、いまだふせられたままのもう一枚——リチャードとの邂逅が、まぼろしとなってしまったのならば。
ふふ、だが、その必要もないか。
この物語が、壮大なサーガの断片にすぎないことは知っていよう?
心配せずとも、いずれ何処かでアントニオとリチャードは出逢う——黒き太陽と影の月との遭遇が、必然であるが如く。
さぁ、断片はついに、そのはしっこまでたどり着いた。
さいごはやはり、ナレーションでしめくくるのが美しかろう。
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アントニオ・パンダラスは改造超獣である。
彼を改造させた邪悪な民俗舞踊は、ご近所に蠢く悪の秘密結社なのだ。
おのれの復讐を果たすため、アントニオ・パンダラスはきょうも闘うのであった!!
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をわり