16.邪悪な企て
「企て」
解説も少し。
突然の展開に、読者はちゃんとついてこられているのかと、少しばかり疑問。
蛇足ながらいくらか、解説でもはさんでおこうか。
この世界におけるモブキャラである「まろ」たち。彼らはカスタマイズされることにより、固有キャラとなる——例えば、さっき激闘を演じていた、ぶたまろもそうだ。
そもそも、まろたちの素体である「まろのもと」からは、じつに数多くのキャラが誕み出されているのだが。カスタマイズされていない量産型でも、雑兵やエキストラとしてなら、じゅうぶんなはたらきができるスグレモノ!
じっさいにこの基地でも、素体に邪気を吹きこんだだけの残虐超獣、わるまろが大量にこき使われていた。
では、もうひとつのキーワード「魔神の器」とはいったい!?
本編のネタバレになってしまうため、あまり詳しくは言えないが、肉体を失った魔神を復活させるため、精神を宿らせるべつの肉体——すなわち「器」を、クロップスが創ることになっているのだろう。
何体ものまろのもとを改造したが、しょせんはおもに量産機にもちいられる素体。「器」としての強度どころか、改造手術すら耐えるのは容易ではない。業を煮やした組織が、より上質な被験体を捕獲しに、アイザックを送ったとゆうわけだ。
ラボからのびる廊下は一本道で、怪しげな理科準備室の数々にはさまれている。
魔牛に連れられて、捕獲された4体のもとへむかうクロップス。これからおもう存分、その腕を振るえるとゆうのに。食卓にお醤油しか置かれていないと気づいたソース派みたいな、どうにも、うかない顔をしているのは何故か?
博士の憂欝おかまいなしに、歩みは進む。
そしてたどりついたのは、ショウウィンドウのようなガラス張りの一室。うす暗い照明の室内、ガラスの壁のすぐそばに建てられた、よっつのカプセルには冬眠液が満たされていた。
そこに眠る4匹の憐れな姿がいま、クロップスのおおきなひとつ眼に映される。
何重にも、ガラス、液体が重なってるのの、色づかいが悩ましかったです(絵のことかよ!)。